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国内の需給動向【豚肉】 畜産の情報 2020年8月号

2年5月の豚肉生産量、前年同月比5.2%減

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1 令和2年5月の豚肉生産量(部分肉ベース)は、7万1318トン(前年同月比5.2%減)と前年同月をやや下回った(図6)。
 なお、過去5カ年の5月の平均生産量との比較でも、2.8%減とわずかに下回る結果となった。
 

2  5月の輸入量は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う北米の現地工場の稼働停止による生産量の減少などから、細かいカットを要する冷蔵品は3万3478トン(同4.3%減)と前年同月をやや下回った(図7)。一方、冷凍品は、輸入業者の買い付け時の価格が高騰していたことによりデンマーク産の輸入量が減少したため、4万6387トン(同6.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図8)。この結果、全体では7万9864トン(同5.4%減)と前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の5月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は12.9%増とかなり大きく、冷凍品は1.1%増とわずかに、いずれも上回る結果となった。
 

 
 
 
3  5月の豚肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、684グラム(同19.2%増)と、前年同月を大幅に上回った(総務省「家計調査」)。

4  5月の推定期末在庫量は、23万5742トン(同14.1%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図9)。このうち輸入品は、2019年の中国におけるASF(アフリカ豚熱)発生による供給国の豚肉相場の先高感から輸入量が増加傾向で推移していたことから、21万4884トン(同16.2%増)と前年同月を大幅に上回った。
 
 
 推定出回り量は13万9325トン(同2.4%減)と前年同月をわずかに下回った(図10)。このうち、国産品は7万3523トン(同3.4%減)とやや、輸入品は6万5801トン(同1.3%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。この要因は、前月同様に、COVID-19の影響で、家庭用に多く仕向けられる国産品の需要が高まった一方、外食用に多く仕向けられる輸入品の需要が低下したためと考えられる。
 

 
 
(畜産振興部 岩井 椿)