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海外の需給動向【豚肉/EU】  畜産の情報  2020年8月号

第1四半期の豚肉輸出量は、中国向けが大幅に増加

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3月の豚肉生産量は、前年同月比増
 欧州委員会によると、2020年3月の豚肉生産量(EU27カ国)は、前年同月比3.5%増の197万3650トンとなった(図11)。と畜頭数は同2.9%増の2097万頭、1頭当たり枝肉重量は同0.5%増の94.0キログラムとなった。


 
  3月の主要生産国の豚肉生産量を見ると、ドイツ(前年同月比3.9%増)、スペイン(同12.2%増)、フランス(同1.5%増)、ポーランド(同1.3%増)、オランダ(同8.6%増)が増産となったものの、デンマーク(同3.8%減)、イタリア(同24.9%減)では減産となった(表6)。
 なお、第1四半期(1〜3月)の豚肉生産量は、590万トン(前年同期比0.3%減)となった。

 
 また、欧州委員会は、7月に公表した農畜産物の短期需給見通しの中で、2020年の豚肉生産量を前年比0.5%増とわずかに増加すると見込んでいる(図12)。これは、豚枝肉卸売価格高、需要の回復、中国向けを中心とした堅調な輸出見込みのほか、最近の養豚部門への投資が背景にあるとしている。

 
豚枝肉卸売価格は下げ止まる
 欧州委員会によると、5月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、前年同月比8.7%安の100キログラム当たり162.31ユーロ(1万9964円:1ユーロ=123円)となり、月平均では2019年3月以来、14カ月ぶりに前年同月を下回った。
 価格動向を週ごとに見ると、3月9日の週に前週比0.9%安となった後、10週連続して前週比安で推移していたが、5月18日の週は同0.7%高の同159.42ユーロ(1万9609円)となり、11週ぶりに前週比高に転じた(図13)。下落が続いていた同価格は下げ止まり、6月15日の週は同161.46ユーロ(1万9860円)と横ばいで推移している。
 同価格の下げ止まりは、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に関連する制限措置の緩和により外食産業が営業再開し、需要が回復したためだと考えられる。
 

 
  なお、ドイツ最大の豚肉加工業者が有する食肉処理場でCOVID‐19の集団感染が発生し、7月2日まで一時的に閉鎖となった。英国農業園芸開発公社(AHDB)によると、閉鎖された食肉処理場は週10万頭以上の処理能力があるとされているものの、当該業者は他の食肉処理場での生産に転換できるとしている。

3月の豚肉輸出量は中国向けが前年同月比で大幅増
 欧州委員会によると、2020年3月のEU域外への豚肉(生鮮・冷蔵、冷凍)輸出量(EU27カ国)は、前年同月比16.5%増の29万2142トンとなった(表7)。豚肉輸出量は、2019年1月以降、15カ月連続で前年同月水準を上回って推移している。

 
 輸出先別に見ると、唯一増加したのは中国向け(同95.9%増)となり、日本向け(同11.4%減)、韓国向け(同52.8%減)、香港向け(同30.0%減)、豪州向け(同32.7%減)、フィリピン向け(同53.3%減)、米国向け(同47.0%減)と軒並み減少した。また、第1四半期(1〜3月)の豚肉輸出量においても、中国向けは前年同期比117.1%増と唯一の増加となっている。
 また、輸出国別に見ると、EU最大の輸出国であるスペイン(同35.0%増)、次ぐドイツ(同11.5%増)、デンマーク(同45.7%増)、オランダ(同17.3%増)は増加した一方で、フランス(同6.8%減)、ポーランド(同53.0%減)は減少した(表8)。

 
 AHDBによると、COVID‐19が発生した前述の食肉処理場は中国への輸出を停止した。その後、中国は当該処理場からの輸入を停止する措置を取っている。また、中国はCOVID‐19に関する輸入食肉の検査を強化したことを示す報道もあり、こうした中国の輸入食肉に関する警戒は、中国市場へ輸出業者が直面している課題かもしれないとしている。
(調査情報部 小林 智也)



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