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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報  2020年8月号

2019/20年度の生乳生産量、ほぼ前年度実績並み

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5月の生乳生産量は、前年同月比4.3%増
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2020年5月の生乳生産量は、5月中の気温が平年よりも高く推移し、同月初旬のまとまった雨が牧草の生育を促進したため、90万5000トン(前年同月比4.3%増)となった(図16)。2019/20年度(6月〜翌5月)の生乳生産量は、干ばつの影響により 前年同月を下回る月が多かったものの、年度累計で見ると、前年度比0.4%減の2176万6000トンとほぼ前年度並みの水準となった(図17)。直近10年間の生乳生産量では、19/20年度は、1位の14/15年度、2位の18/19年度に次いで3位となった。



 
乳製品国際価格は、バターを除く3品目が前回から上昇
 2020年6月16日に開催された、乳製品の国際価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション。月2回開催)の主要4品目の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表11、図18)。前回開催(同年6月2日)時との比較では、バターは前回比0.9%安とわずかに下落したものの、脱脂粉乳、チーズはやや、全粉乳はわずかに上昇した。




 
 脱脂粉乳の価格は、前回比3.1%高の1トン当たり2609米ドル(28万4381円)であった。米国産やヨーロッパ産の価格は下落したものの、オセアニア産への需要の高まりなどが全体の価格を引き上げた。
 全粉乳は、中国や東南アジアを中心に買いが強まったことなどから、前回比2.5%高の同2829米ドル(30万8361円)と前回に続き価格が上昇した。
 バターは、前回比0.9%安の同3597米ドル(39万2073円)であった。オセアニア産はヨーロッパ産や米国産よりも高値が続いていたが、ヨーロッパ産や米国産の価格が上昇し、オセアニア産の価格が下落したことなどにより平均価格はわずかに低下した。
 チーズは、前回比3.2%高の同3631米ドル(39万5779円)とやや上昇した。
 6月の国際取引価格は、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)による経済への影響を受け、価格の下落が懸念されていたが、主要な輸入国である中国や東南アジアなどの強気な購買姿勢を受け高値となった。

(調査情報部 廣田 李花子)