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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2020年9月号 

2年6月の牛肉生産量、前年同月比9.9%増

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1 令和2年6月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万7825トン(前年同月比9.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図1)。品種別では、和牛は1万3336トン(同16.9%増)と大幅に、交雑種は6763トン(同2.9%増)とわずかに、乳用種は7287トン(同4.8%増)とやや、いずれも前年同月を上回った。
 なお、過去5カ年の6月の平均生産量との比較でも、6.5%増とかなりの程度上回る結果となった。
 

2 6月の輸入量は、冷蔵品については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う北米の現地工場の操業停止などにより生産量が減少し、現地価格が高騰していたことなどから、2万474トン(同4.0%減)と前年同月をやや下回った(図2)。一方、冷凍品については、前年度において関税緊急措置の発動回避のために6月の通関を7月に繰り越す動きがあったが、今年度は同措置が措置されていないことなどから、3万212トン(同16.6%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、全体では5万709トン(同7.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 なお、過去5カ年の6月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は4.0%減とやや下回る一方、冷凍品は29.7%増と大幅に上回る結果となった。
 




3 6月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、191グラム(前年同月比8.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
 その一方で、6月の外食産業全体の売上高(同21.9%減)は、店内飲食の客足が戻り始めたものの、前年同月を大幅に下回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は同3.9%減とやや、牛丼店を含むファーストフード和風は同13.2%減とかなり大きく、焼き肉も同11.3%減とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。

4 6月の推定期末在庫量は、14万7453トン(同18.8%増)と前年同月を大幅に上回った(図4)。このうち、輸入品は13万6878トン(同19.4%増)と前年同月を大幅に上回った。
 
 
 推定出回り量は、7万8405トン(同15.5%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図5)。このうち、国産品は2万8339トン(同16.9%増)と大幅に、輸入品も5万65トン(同14.7%増)とかなり大きく、いずれも前年同月を上回った。
 
 

(畜産振興部 郡司 紗千代)