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海外の需給動向【飼料穀物/世界】 畜産の情報  2020年9月号

2020/21年度の世界トウモロコシ生産量、期末在庫量を下方修正

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 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2020年7月10日、「Grain:World Markets and Trade」において、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は、米国が作付面積、収穫面積の減少により前回より2527万トン、また、カナダが100万トン下方修正されるなど全体で2526万トン下方修正され、前年度比4.5%増の11億6321万トンと見込まれている(表12)。国別で見ると、米国は、今回、下方修正され同10.2%増となる。また、ブラジル、ウクライナは、記録的に大きな生産量になる。
 
 
 輸出量は、前回予測値と大きな差がなく、同4.1%増の1億8284万トンと見込まれている。これは、トウモロコシの供給量が増加する結果、競合する飼料用小麦との価格競争力が高まるためである。一方、輸入量は、生産量が少なくなるカナダやアルジェリアなどが上方修正された。なお、2019/20年度(推計値)の輸出量において、アルゼンチンが3〜5月の輸出増により前回の100万トンに続き今回200万トン上方修正される一方、ブラジルが引き続き輸送の遅延により前回の100万トンに続き今回200万トン下方修正された。
 2020/21年度の消費量は、ASF(アフリカ豚熱)による飼養頭数の減少から回復の進む中国が前回に続き100万トン上方修正されたものの、米国が飼料等向けを中心に前回より444万トン下方修正されたことで、全体で339万トン下方修正され、同3.4%増の11億6012万トンと見込まれている。
 期末在庫は、米国、アルゼンチン、中国のほか、カナダおよびメキシコなどが下方修正された結果、全体で2283万トン下方修正され、同1.0%増の3億1504万トンと増減率が7.0ポイント低下し、わずかに増加すると見込まれている。

2020/21年度の世界の大豆需給、中国の消費量を上方修正
 USDA/FASが2020年7月10日、「Oilseeds:World Markets and Trade」において、2020/21年度の世界の大豆需給予測値を更新した。
 これによると、2020/21年度の世界の大豆生産量は、前回予測値と大きな差がなく、前年度比7.5%増の3億6252万トンとかなりの程度増加すると見込まれている(表13)。国別で見ると、米国は、作付面積、単収が回復することから、同16.4%増と大幅に増加する。また、ブラジルは、同4.0%増と2年連続で増加し、2019/20年度に続き最大の生産国となる。なお、2019/20年度(推計値)の生産量において、ブラジルが200万トン上方修正された。
 
 
 2020/21年度の輸出量も前回予測値と大きな差がなく、同1.4%増の1億6158万トンと見込まれている。ブラジルやアルゼンチンが前年度を下回る一方、米国が同24.2%増と前年度を大幅に上回る。輸入量は、前回予測値から修正がなく、同0.3%増の1億5802万トンと見込まれている。なお、2019/20年度(推計値)において、ブラジルの輸出量が前回に続き400万トン上方修正された一方、相手先である中国の輸入量が前回に続き200万トン上方修正された。
 2020/21年度の消費量(搾油仕向け)は、ASFからの回復により豚飼養頭数が増加し需要の強い中国のほか、米国などにおいて上方修正された結果、前回より186万トン上方修正の3億1557万トン(同3.7%増)と見込まれている。
 期末在庫は、ブラジルや中国などにおいて下方修正された結果、前回より127万トン下方修正の9508万トン(同4.6%減)と見込まれている。
 
(調査情報部 井田 俊二)