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海外の需給動向【牛肉/米国】 畜産の情報 2020年11月号

フィードロット飼養頭数、9月としては過去最多を記録

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フィードロット飼養頭数、前年同月比3.8%増
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2020年9月25日に公表した「Cattle on Feed」月次報告によると、同年9月1日現在のフィードロット飼養頭数は前年同月比3.8%増の1139万4000頭と前年同月をやや上回り、現行の形式で調査が開始された1996年以降、9月としては過去最多となった(図1)。
 
 
 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の流行に伴う牛肉市場の混乱や軟調な肥育牛価格などを背景に、フィードロット導入頭数が減少したことから、2020年4、5月の飼養頭数は大幅に減少した。その後、牛肉市場の混乱が改善に向かっていることや、肥育牛価格が緩やかながら回復基調となっていることなどから、7、8月の導入頭数は前年同月を1割程度上回っている。一方、出荷頭数は、食肉処理場の稼働率低下に伴って急減した4、5月と比べると増加している(図2)。この結果、8月以降の飼養頭数は過去3カ年で最も多かった時期よりは少ないが、月次ベースでは高水準で推移している。
 
 
牛肉輸出量、メキシコ向けが大幅減
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が公表する「Livestock and Meat International Trade Data」によると、2020年1〜7月の合計輸出量は73万9100トン(前年同期比7.7%減、枝肉ベース)とかなりの程度減少した(表1)。輸出先別に見ると、メキシコ向けの減少が大きい(図3)。この要因として、USDAは、米国産牛肉の輸出価格の高止まりや、メキシコの不況、米ドル高メキシコペソ安などを挙げている。また、最大の輸出先である日本向けは23万100トン(同4.3%増)と増加し、シェアが3割超となった。次いで多い韓国向けは17万2300トン(同6.8%減)とかなりの程度減少した。なお、中国向けは、主要国と比べてシェアは小さいものの、同81.5%増の1万1800トンと大幅に増加し、7月は過去最多を記録した。
 


 
牛肉輸入量、メキシコ産、ニュージーランド産が増加
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が公表する「Livestock and Meat International Trade Data」によると、2020年1〜7月の合計輸入量は、好調な加工用需要などを背景に90万7400トン(前年同期比8.5%増)とかなりの程度増加した(表2)。輸入先別に見ると、メキシコ産やニュージーランド産が大きく増加している。USDAは、メキシコ産の増加の一因として、米ドル高メキシコペソ安を挙げている。また、ニュージーランド産の増加要因としては、同年2、3月にCOVID−19により中国で物流に混乱が生じ、同国向けのコンテナが不足したことや、同年5、6月の米国内のひき材の価格高騰(図4)などを背景とするニュージーランド産の中国向けからのシフトなどを挙げている。
 


 
(調査情報部 河村 侑紀)