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海外の需給動向【牛肉/豪州】 畜産の情報 2020年12月号

2020年9月の牛肉輸出量、8カ月連続で前年同月を下回る

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9月の牛肉輸出量、中国向けは前年同月比63.6%減
 豪州農業・水・環境省(DAWE)によると、2020年9月の牛肉輸出量は、と畜頭数の減少に伴う牛肉生産量の減少により7万2619トン(前年同月比31.1%減)と、8カ月連続で前年同月を下回った(表5)。1〜9月の累計でも、79万3104トン(前年同期比11.5%減)と前年同期をかなり大きく下回った。

 
 輸出先別に見ると、日本向けは、2万500トン(前年同月比15.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、外食産業からの需要が減少していることが主な要因とみられるが、最も大きく落ち込んだ4月と比べると回復が見られる。1〜9月の累計では、前年同期比8.5%減と前年同期をかなりの程度下回った。
 また、米国向けは、1万5877トン(前年同月比21.1%減)と2カ月連続で前年同月を下回った。これは、為替レートが対米ドルで豪ドル高に推移したほか、牛群再構築の過程にあって肉用牛価格が高騰したことにより価格競争力が低下したためとみられる。1〜9月の累計では、前年同期比8.0%減と前年同期をかなりの程度下回った。
 韓国向けは、1万693トン(前年同月比16.1%減)と前年同月を大幅に下回った。1〜9月の累計では、11万4071トン(前年同期比5.7%減)と前年同期をやや下回った。
 さらに、中国向けは、1万387トン(前年同月比63.6%減)と4カ月連続で前年同月を大幅に下回った。7月以降は3カ月連続で前年同月の半分以下の水準に落ち込んでいる。これは、7月に豪州産牛肉輸入に係るセーフガードの発動により関税が引き上げられたことや、中国市場において南米産との競合が強まったこと、さらに中国が豪州の五つの牛肉処理場からの輸入を停止したことが要因となっている(注)。なお、同国向けの1〜9月の累計も、前年同期比22.4%減と前年同期を大幅に下回った。

(注) 詳細は、海外情報「中国が豪州の4つの牛肉処理場からの牛肉輸入停止を通告」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002706.html)を参照されたい。5月に輸入停止となった4社に加え、8月にもクイーンズランド州の食肉処理場1社からの輸入が停止されたことから計5社としている。

東部地区若齢牛指標(EYCI)価格、10月に過去最高値を更新
 肉牛取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、10月7日に1キログラム当たり794.75豪セント(604円:1豪ドル=76円)と、8月26日に記録した最高値(同788.25豪セント)をさらに上回る結果となった(図6)。牛群の再構築が進み、肉牛取引数量が減少している中、牧草肥育生産者と穀物肥育業者との競合が強まったことが背景にあり、2020年2月に同700豪セントを超えて以来、高水準で推移している。
 
 
(調査情報部 廣田 李花子)