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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2021年1月号

2年10月の牛肉生産量、前年同月比4.2%増

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1 令和2年10月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万9433トン(前年同月比4.2%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4183トン(同12.1%増)と前年同月をかなり大きく上回った一方で、交雑種は7004トン(同2.4%減)とわずかに、乳用種は7758トン(同3.1%減)とやや、いずれも前年同月を下回った。
 なお、過去5カ年の10月の平均生産量との比較でも、4.1%増とやや上回る結果となった。

  
2 10月の輸入量は、冷蔵品は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による北米工場の作業効率の低下および豪州産の干ばつ後の牛群再構築による生産量減少に伴う現地価格の高騰に加え、北米からの入船遅れが発生していたことなどから、2万1358トン(同16.1%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。冷凍品は、高騰する豪州産を米国産で補う動きがあったものの、冷蔵品と同様、北米からの入船遅れなどにより、2万9561トン(同1.0%減)と前年同月をわずかに下回った(図3)。この結果、全体では5万951トン(同8.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 なお、過去5カ年の10月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は1.0%減とわずかに下回る一方、冷凍品は18.5%増と大幅に上回る結果となった。



 
3 10月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響により内食需要が拡大したことから、196グラム(同21.5%増)と前年同月を大幅に上回った(総務省「家計調査」)。
 外食産業全体の売上高(同5.7%減)は、COVID-19の新規感染者数が比較的落ち着き、外出自粛の動きも緩和傾向にあったことや、飲食消費回復への支援策を背景に回復が見られ、前年同月をやや下回る結果となった(日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風はドライブスルーのテイクアウトやデリバリーが高水準で推移していることに加え、各種キャンペーンの実施により店内飲食も回復したことから同9.1%増、焼き肉はCOVID-19の新規感染者数の落ち着きにより客足が戻り始めたことから同8.7%増と、ともに前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風においても高単価の季節メニューや新商品などの好調もあり同1.4%増と前年同月をわずかに上回った。

4 10月の推定期末在庫は、13万3096トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図4)。このうち、輸入品は12万2325トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
 推定出回り量は、8万2643トン(同1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は2万8754トン(同10.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った一方、輸入品は5万3889トン(同3.4%減)と前年同月をやや下回った。
 

 
(畜産振興部 友石 公彦)