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国内の需給動向【畜産統計】 畜産の情報 2021年1月号

畜産統計

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 農林水産省が令和2年11月30日に「畜産統計(令和2年2月1日現在)」の確報値を公表したので肉用牛および乳用牛の概要を以下の通り報告する。なお、本年は2020年農林業センサス実施年のため、豚、採卵鶏およびブロイラーの調査は行われていない。
 また、畜産統計における肉用牛および乳用牛については、従来実施してきた飼養者を対象とした郵送調査により把握する方法を取りやめ、牛個体識別全国データベース、乳用牛群能力検定成績などのデータを活用して集計する方法に変更された。これにより、2年の公表数値を前年(平成31年)の調査結果と比較した場合、生産実態の変動に加えて、調査設計の変更に伴う数値の変動が含まれることから、公表項目によっては必ずしも生産実態の変動と整合しないケースがあるため、令和2年の公表数値を前年比較する際に用いる参考データとして、前年(平成31年)について、令和2年の公表数値と同様の方法により集計した数値(「平成31年(新)」)が掲載されている。
 従って、本稿においても、令和2年の対前年比は「平成31年(新)」の数値を用いている。

【肉用牛】令和2年の肉用牛飼養頭数は、前年比増

肉用種は前年比増、乳用種は前年比減
 肉用牛の飼養戸数は、生産者の高齢化などにより離農が進んでいることから減少傾向にあり、令和2年の肉用牛の飼養戸数は4万3900戸(前年比3.7%減)と前年からやや減少した(表1)。また、肉用牛の飼養頭数は平成28年までは7年連続で減少していたものの、最近は繁殖基盤の強化により増加傾向で推移し、令和2年の肉用牛飼養頭数は255万5000頭(同1.1%増)となった(図18)。この結果、肉用牛の1戸当たり飼養頭数は、前年から2.8頭増加して58.2頭となった。
 




 肉用牛は、肉用種および乳用種(注)に大別され、飼養頭数のうち7割が肉用種(179万2000頭、前年比2.3%増)で、3割が乳用種(76万3400頭、同1.7%減)となった(図19)。


 
  さらに肉用種の内訳を見ると、子取り用めす牛が62万2000頭(全体に占める割合は24%)、育成牛が38万5200頭(同15%)、肥育用牛が78万4600頭(同31%)となった。子取り用めす牛は平成27年まで5年連続で減少していたものの、28年に増加に転じ、繁殖基盤の強化が図られている。
 乳用種の内訳を見ると、交雑種が49万5400頭(全体に占める割合は19%)、ホルスタイン種ほかが26万7900頭(同11%)となった。

(注) 「畜産統計」では、肉用牛の乳用種とは、ホルスタイン種、ジャージー種などの乳用種のうち、肉用を目的に飼養している牛で、交雑種を含むと定義されている。

「200頭以上」の経営で肉用牛飼養頭数全体の約6割
 肉用牛の総飼養頭数規模別飼養戸数を見ると、1〜4頭の階層が最も多く、全体の24%を占める1万700戸(前年比7.0%減)、次いで5〜9頭の階層が、全体の20%を占める8890戸(同6.1%減)となり、いずれも前年をかなりの程度下回った(図20)。一方、500頭以上の階層は全体の2%を占める743戸(同1.5%増)、200〜499頭の階層は全体の3%を占める1400戸(同1.4%増)となり、いずれも前年をわずかに上回った。
 

 
 総飼養頭数規模別飼養頭数を見ると、500頭以上の階層が最も多く、全体の41%を占める104万2000頭(同3.1%増)、次いで200〜499頭の階層が全体の17%を占める43万6900頭(同1.7%増)と、200頭以上の飼養規模での頭数は全体の6割近くとなり、戸数は少ないものの大規模経営で多くの肉用牛が飼養されていることが分かる(図21)。

 
上位4道県で肉用牛飼養頭数全体の約5割
 都道府県ごとの肉用牛の飼養頭数を見ると、最も飼養頭数が多いのは北海道(52万頭)で肉用牛全体の21%を占めている(表2)。次いで、鹿児島(34万頭、全体に占める割合は13%)、宮崎(24万頭、同10%)、熊本(13万頭、同5%)となり、上位4道県で全体の約5割を占める。なお、全国農業地域別に見ると、九州のシェアは36%となり、最大の生産地域になっている。

 
 都道府県ごとの肉用種の飼養頭数を見ると、最も飼養頭数が多いのは鹿児島(33万頭)で肉用種全体の18%を占めている。次いで、宮崎(22万頭、全体に占める割合は12%)、北海道(20万頭、同11%)、熊本(10万頭、同6%)となり、上位4道県で全体の約5割を占める。
 都道府県ごとの乳用種の飼養頭数を見ると、最も飼養頭数が多いのは北海道(33万頭)で乳用種全体の43%を占めている。次いで、栃木(4万頭、全体に占める割合は5%)、愛知(3万頭、同4%)、千葉(3万頭、同4%)となり、主要な酪農生産地域が上位を占めている。
 北海道の肉用牛の飼養頭数は、6割強が乳用種(33万頭)、4割弱が肉用種(20万頭)となっている。最大の酪農生産地域であることを背景に、北海道は最大の乳用種飼養頭数を誇るとともに、肉用種生産頭数も全国第3位と、肉用牛の大産地となっていることが分かる。
(畜産振興部 前田 絵梨)

【乳用牛】令和2年の北海道乳用牛飼養頭数は、前年比2.0%増

1戸当たりの飼養頭数、前年比4.4%増
 令和2年2月1日現在の乳用牛飼養戸数は前年から500戸減少し、1万4400戸(前年比3.4%減)となった。これを全国農業地域別に見ると、北海道は5840戸(同2.5%減)、都府県は8520戸(同4.3%減)といずれも減少した(表3)。また、同日現在の乳用牛飼養頭数は135万2000頭(同1.0%増)となり、北海道が82万900頭(同2.0%増)と増加した一方、都府県は53万1400頭(同0.7%減)と減少した。
 

 
 1戸当たりの飼養頭数は、北海道が140.6頭(同4.7%増)、都府県が62.4頭(同3.8%増)といずれも増加し、全国としても前年比4.4%増の93.9頭と、規模拡大が進展している。なお、都府県の中で飼養頭数が前年を上回ったのは中国地域(前年比4.4%増)のみであったが、1戸当たり飼養頭数は沖縄を除くすべての地域で増加している。
 なお、都府県の内訳を見ると、飼養戸数および飼養頭数が最も多いのは関東・東山地域であり、いずれも都府県総計の3割以上を占めており、次いで飼養頭数では九州、東北地域の順となっている。

「100頭以上」階層で乳用牛飼養戸数および頭数、ともに増加
 乳用牛成畜(満2歳以上の牛)の飼養戸数を飼養頭数規模別に見ると、全体の13.6%を占める「100頭以上」の階層が前年に比べ1.9%増加(うち「200頭以上」は、5.1%増加)した一方、「100頭未満」の階層はいずれも減少した(表4)。
 

 
 また、乳用牛成畜の飼養頭数を飼養頭数規模別に見ると、「100頭以上」の階層が60万1300頭と全体の44.5%を占め、前年に比べ5.0%増加する一方、「100頭未満」の階層は「1〜19頭」の階層を除きいずれも減少した。特に、「200頭以上」の階層は32万2300頭と最も多く、全体の23.8%を占めた。

乳用牛からの子牛出生頭数、乳用種めすが3年連続で増加
 直近1年間(平成31年2月〜令和2年1月)の乳用牛からの子牛出生頭数(注)は、70万6600頭(前年比1.9%増)と、2年連続で増加した。内訳を見ると、乳用種めすが27万6900頭(同1.5%増)と3年連続で増加し、また、乳用種おすが17万9300頭(同2.9%増)、交雑種が25万400頭(同1.6%増)と、いずれも増加した(図22)。

 
 全体に占める割合(注)はそれぞれ、乳用種めすが39%、乳用種おすが25%、交雑種が35%となった。乳用種子牛に占めるめす子牛の割合は、性判別精液の利用増加により増加傾向にあり、おすとめすの頭数比は39対61と格差が広がっている。
 なお、独立行政法人家畜改良センターの牛個体識別全国データベースによると、乳用牛からの和子牛出生頭数は年々増加傾向にあり、令和元年度に約4万頭となっている。

(注) 乳用牛からの子牛出生頭数に、受精卵移植による和子牛は含まない。

(酪農乳業部 鈴木 香椰)


 



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