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新年のごあいさつ 畜産の情報  2021年1月号

新年のごあいさつ

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独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 佐藤 一雄
 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 alicの業務につきまして、旧年中は皆さまのご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。

 昨年は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会のシステムや人々の生活に大きな影響をもたらした年となりました。わが国でも、東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期されるなどさまざまな行事や社会活動の自粛を余儀なくされました。罹患りかんされた方および関係者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

 依然として甚大な影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症ですが、わが国の農畜産業も大きな影響を受けました。政府による昨年2月の休校要請によって学校給食用牛乳が供給停止となり、また、4月の緊急事態宣言発出後には、外出自粛、飲食店などの店舗休業、テレワークの進展、外国人の入国制限なども相まって、外食や業務用需要が減少し、農畜産物の生産者や関連事業者などに大きな影響を及ぼしました。
 
 こうした中、alicは、新型コロナウイルス感染症に係る畜産支援対策として、生乳の需給改善促進対策、和牛肉の冷凍保管・販売促進のための支援などの緊急対策を的確に遂行しております。
 加えて、令和2年7月豪雨により被災された畜産経営の継続を図るため、損壊した畜産関連施設・設備の補改修の取り組みや停電時の発電機の借上げなどへの支援を行う災害対策や、野生イノシシに対する経口ワクチン散布などへの支援をはじめとする豚熱対策などを実施しているところです。

 こうした諸情勢の変化に対応した緊急対策などを迅速かつ的確に講じることは、alicの重要な業務の一つであり、alicの使命である加工原料乳生産者補給金制度、肥育牛・肉豚経営安定交付金制度(牛・豚マルキン)や肉用子牛生産者補給金制度といった法律に基づく経営安定対策と同様、引き続き全力を挙げて業務を遂行してまいる考えです。
 alicは、生産者の皆さまの声を傾聴しつつ、農林水産省とともに畜産・酪農の生産基盤を確固たるものとし、その持続的な発展を図っていくため、担い手の高齢化や後継者不足、労働負担の軽減といった長期的な課題にも取り組みながら、諸情勢の変化に対応した畜産業振興事業を適切に実施してまいります。
 また、alicは引き続き、国家貿易機関としての乳製品の輸入・売渡業務の適切な運用を通じた脱脂粉乳・バターの需給安定に努めてまいります。

 さらに、農畜産物をめぐる国内外の情勢が変化する中、関連する情報を収集し、生産者・消費者を含め広く一般に提供する業務の重要性も一段と高まっています。海外を含めた農畜産物の需給・価格の動向、わが国の輸出可能性などについての情報を収集・分析した上で、これをホームページや情報誌などの刊行物、さらにはSNSも活用して幅広く発信することにより、農畜産物の生産・流通・消費についての理解の促進に寄与することができているものと認識しております。現下の情勢では、海外での取材・調査が思うに任せない面もありますが、さまざまなツールやパイプを活用して、可能な限りニーズに即した内外の情報収集・提供に努めたいと考えております。

 alicはこれからも、生きていく上でなくてはならない大切な「食」を支えていくために、農畜産業および関連産業に携わる方々を応援し、消費者の皆さまに農畜産物が安定的に届けられるよう努めてまいります。業務の実施に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、さまざまな変革を行う必要があると思われますが、効率的かつ円滑な業務運営に努めてまいりますので、引き続きご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 本年が皆さまにとって希望に満ちた明るい年となりますよう、そして新型コロナウイルス感染症の1日も早い収束と皆さまのご健康をご祈念申し上げて、新年のごあいさつといたします。