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国内の需給動向【令和元年の畜産物生産費】 畜産の情報 2021年2月号

令和元年の畜産物生産費

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 農林水産省は、令和2年12月4日、「畜産物生産費統計(令和元年)」を公表した。品目ごとの内容は以下の通りである。なお、令和元年調査から、調査期間が「調査年4月から翌年3月までの期間」から、「調査年1月から12月までの期間」に変更されている。このため、本稿における対前年度増減率は、令和元年(平成31年1月〜令和元年12月)と平成30年度(平成30年4月〜平成31年3月)を比較したものとしている。

【肥育牛】肥育牛生産費、去勢若齢肥育牛および交雑種肥育牛で減少
1.去勢若齢肥育牛
 肥育経営における去勢若齢肥育牛の1頭当たり資本利子・地代全額算入生産費(以下「全算入生産費」という)は、133万6990円(前年度比3.8%減)となり、前年度をやや下回った(表2、図18)。費目別に見ると、費用合計の64%を占めるもと畜費は84万4283円(同5.6%減)と前年度をやや下回った一方、24%を占める飼料費は32万3576円(同1.3%増)と前年度をわずかに上回った。
 また、1頭当たりの販売価格は、133万1679円(同2.5%安)と前年度をわずかに下回った。

2.乳用雄肥育牛
 乳用雄肥育牛の1頭当たり全算入生産費は、53万4792円(前年度比0.2%増)となり、前年度並みとなった(表2、図18)。費目別に見ると、費用合計の48%を占めるもと畜費は25万3603円(同3.5%増)と前年度をやや上回った一方、41%を占める飼料費は21万9937円(同1.5%減)と前年度をわずかに下回った。
 また、1頭当たりの販売価格は、51万1198円(同2.4%高)と前年度をわずかに上回った。

3.交雑種肥育牛
 交雑種肥育牛の1頭当たり全算入生産費は、79万4770円(前年度比4.1%減)となり、前年度をやや下回った。(表2、図18)。費目別に見ると、費用合計の51%を占めるもと畜費は40万5634円(同5.8%減)と前年度をやや下回った一方、38%を占める飼料費は29万7952円(同0.2%減)と前年度並みとなった。
 また、1頭当たりの販売価格は、79万9867円(同0.2%高)と前年度並みとなった。
 



 生産費(費用合計)は、もと畜費や飼料費、敷料費などといった物材費と、労働費(家族労働の評価額と雇用労働に対する支払額の合計)に大別される。このうち労働費は、生産費全体の4〜6%を占め、飼料の給与や敷料の搬入、牛体の手入れなどといった飼養の直接労働(生産管理労働を含む)にかかる直接労働費と、自給牧草および自給肥料の生産、建物や農機具の自己修繕などといった間接労働にかかる間接労働費に大別され、いずれの品目も労働費の9割以上が直接労働費となっている(表3)。
 
 
 品目ごとに労働費を見ると、直接労働費の増加により去勢若齢肥育牛が前年度比2.8%増、交雑種肥育牛が同1.1%増と、ともに前年度をわずかに上回った一方、乳用雄肥育牛は直接労働費の減少により同10.5%減と前年度をかなりの程度下回った。
 また、労働費の大部分は家族労働費であり、全体に占める割合は乳用雄肥育牛が90%、去勢若齢肥育牛が88%、交雑種肥育牛が83%となっている。
 飼養規模ごとの生産費(費用合計)を見ると、おおむね規模が大きい経営で生産費(費用合計)が小さくなる傾向が見られる(図19、図20、図21)。
 
 



 品目ごとに「10頭〜20頭未満」以上の区分について見ると、去勢若齢肥育牛の生産費(費用合計)が最も大きいのは「30〜50頭未満」の139万2491円、最も小さいのは「200頭〜500頭未満」の128万771円で、その差は11万1720円となった。乳用雄肥育牛の生産費(費用合計)が最も大きいのは「10〜20頭未満」の61万1725円、最も小さいのは「500頭以上」の50万5145円で、その差は10万6580円となった。交雑種肥育牛の生産費(費用合計)が最も大きいのは「30〜50頭未満」の88万2568円、最も小さいのは「200〜500頭未満」の76万1232円で、その差は12万1336円となった。

【肥育豚】肥育豚生産費、飼料費や労働費などの増加に伴い増加
 肥育豚の1頭当たり全算入生産費は、労働費の増加などを背景に、3万3824円(前年度比2.7%増)と前年度をわずかに上回った(表4、図22)。費用合計の62%を占める飼料費は2万957円(同2.5%増)とわずかに、14%を占める労働費は4767円(同3.4%増)とやや、いずれも前年度を上回った。
 なお、肥育豚1頭当たりの販売価格は、3万6629円(同1.8%高)と前年度をわずかに上回った。
 

 
 労働費の増加は、労働費の95%を占める直接労働費の増加によるものである。家族労働費は同8.8%増と前年度をかなりの程度上回り、労働費に占める家族労働費の割合は87%となった(表5)。

 
 飼養規模ごとの生産費(費用合計)を見ると、規模が大きい経営ほど生産費(費用合計)が小さくなっている(図23)。生産費(費用合計)が最も大きいのは「1〜100頭未満」の4万8987円、最も小さいのは「2000頭以上」の2万9988円で、その差は1万8999円となった。なお、「1〜100頭未満」は、ほかの区分に比べ、飼料費および労働費が特に大きくなっている。
 
 
(畜産振興部 前田 絵梨)

【牛乳生産費】令和元年の牛乳生産費、前年度比1.8%増
 全国の搾乳牛1頭当たりの全算入生産費は、79万6467円(前年度比1.8%増)とわずかに増加した(農林水産省「令和元年牛乳生産費」、表6)。地域別に見ると、北海道は、75万257円(同3.7%増)とやや増加した一方、都府県は、85万3553円(同0.3%減)とわずかに減少した。北海道の増加要因は、乳牛償却費が同6.6%と増加したことや、飼料費についてもトウモロコシの海外相場の上昇などにより、同2.8%増加したことなどが挙げられる。一方、都府県の減少要因は、コントラクターなどの外部委託により直接労働費が減少したことなどが挙げられる。
 なお、1頭当たりの労働時間は、北海道、都府県ともに減少し、全国平均では99.6時間(同1.9%減)と、統計開始以来初めて100時間を下回った。
 



 
 
(酪農乳業部 鈴木 香椰)



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