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海外の需給動向【牛乳・乳製品/中国】  畜産の情報 2021年2月号

生乳生産量は増加も生乳価格は高騰、一部乳製品は国産品に回帰

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増頭により生乳や乳製品の生産量はともに増加
 中国では、牛乳・乳製品については、含まれる良質なたんぱく質や、発酵食品においては免疫力増強に効果があると考えられていることから、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生以降、ヨーグルトを中心に需要が伸びていると言われている。
 こうした需要増を背景に、同国では生乳や乳製品の増産機運が高まっている。中国国家統計局によると、2020年1〜9月の生乳生産量は前年同期比8.1%増の2329万トンとなった。また、同期間における乳製品の生産量は同1.1%増の2037万6000トン(製品ベース)となり、このうち、牛乳やヨーグルトなどの液状乳製品は同1.6%増の1905万5400トン、全粉乳や脱脂粉乳は同7.0%減の73万3900トンとなった。
 中国農業農村部によると、2020年3月以降、酪農家戸数が増加していることに加え、中国海関総署(日本の税関に相当)によると、同年1〜9月の生体牛(乳用および肉用の区別はない)輸入頭数が前年同期比47.4%増の20万8000頭と大幅に増加し、すでに2019年の総輸入頭数を超えていることから、現地専門家によると、今後も生乳および乳製品の増産は続くと考えられている。

生乳価格は需要増により高騰
 高まる国内の需要に対し、生乳や乳製品の生産が追い付かない中、2020年12月の生乳価格は1キログラム当たり4.1元(66円:1元=16.2円)の高水準となった(図18)。今後も新年や春節休暇(2021年は2月11〜17日)における乳製品の贈答品需要の増加が見込まれることから、中国農業農村部は、生乳価格は高値で推移するとしている。
 
 
国産品の需要が高いヨーグルトなどで、輸入量が減少
 2020年1〜11月の乳製品輸入量については、粉乳類やヨーグルトが減少し、飲用乳、チーズ、バターおよびホエイが増加した(表12)。
 

 2020年は粉乳類の国内生産量、輸入量がともに減少しており、国内で生乳から乳製品を製造する動きが増加している可能性がある。これは同国の経済発展や国民の健康志向により、より鮮度の高い乳製品を消費するようになったことに加え、コールドチェーンの発達も要因と考えられる。
 また、春節に向け、長期保存可能な牛乳の贈答用需要が増加していることなどからLL牛乳を中心とした飲用乳の輸入が増加する一方、国内では、より需要が高いヨーグルトや冷蔵保存が必要な牛乳が優先的に生産されている状況にあることから、粉乳類やヨーグルトの輸入が減少したと考えられる。
 育児用調製粉乳(以下「育粉」という)は、国産より安全・安心と考えられていた輸入品が増加傾向にあったが、主要輸入先であるEUにおいてCOVID-19が拡大していることや、2020年9月以降に輸入食肉や魚介類の包装から新型コロナウイルスが検出されたことを受け、小児用食品を中心に国産品に対する評価が回復してきたことから、育粉の輸入が減少していると考えられる。
 一方、同年2月以降連続して子豚の飼養頭数が増加している(注)ことから、輸入品の約7割が飼料用に向けられるホエイの輸入が増加している。

(注) 豚飼養頭数の推移についての詳細は、『畜産の情報』2020年12月号「豚飼養頭数が回復する中、輸入量も長期的には落ち着く見込み」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_001427.html)を参照されたい。
 
(調査情報部 寺西 梨衣)



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