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海外の需給動向【豚肉/中国】  畜産の情報 2021年3月号

豚肉生産は回復に向かい、輸入の勢いもわずかに減退

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豚飼養頭数はアフリカ豚熱発生前の9割強まで回復
 中国政府による、種豚や繁殖雌豚の増頭、豚舎の増改築に対する支援策などの効果もあり、中国国家統計局によると、2020年末時点の総飼養頭数は前年比31.0%増の4億650万頭で、2017年末の92.1%まで回復している。また、繁殖雌豚頭数は同35.1%増で、2019年末の3080万頭から試算すると、4161万頭になる(図10)。

 
豚と畜頭数も回復
 豚の増頭や、新年や春節の連休(2021年は2月11〜17日)に向けて豚肉需要が増加することに伴い、2020年12月のと畜頭数は前年同月比41.8%増の2060万頭と、アフリカ豚熱発生前である2016〜18年の水準に近づいた(図11)。

 
豚肉生産量は減少も、今後は回復
 中国国家統計局によると、2020年の豚肉生産量は前年比3.3%減の4113万トンとなり、いまだに豚肉の供給不足であると考えられる(図12)。一方、第4四半期単独では前年同期比18.8%増の1276万トンと、順調に増産していることが分かる。中国農業農村部は、2021年の下半期には、アフリカ豚熱発生前の水準に回復すると分析している。

 
豚肉価格、子豚価格は落ち着きを見せる
 新年や春節に向けて、北部では厳冬期に向けた買いだめが、南部では例年通りベーコンやハムの製造が始まったことから、直近3カ月の豚肉価格は上昇傾向にあり、2021年1月は前月比6.9%高の1キログラム当たり53.0元(875円:1元=16.5円)となった(図13)。しかし、長期的に見ると、需給状況により上下するものの横ばいで推移しており、前年同月からは下落している。
 また、ピークだった2020年8月以降低下していた子豚価格も直近は上昇傾向にあり、2021年1月は同5.4%高の同87.1元(1437円)となったものの、肥育もと豚や豚と畜頭数も増加していることから、大幅な上昇には至らないと考えられる。
 

 
2020年の輸入量は大幅増も、下半期はわずかに減退
 豚肉輸入量は引き続き増加し、2020年は前年の約2.2倍の430万3782トンとなった(表7)。すべての主要輸入先で輸入量が前年より大幅に増加しており、特に12月は春節に向けて輸入量が増加している。同年下半期は、9月にアフリカ豚熱が発生したドイツからの輸入が減退し、スペイン、米国、ブラジルなど他国産の輸入が増加しているが、米国産については、上半期と比べると勢いはわずかに減退している状況にある。

 
 中国では、輸入食肉や水産物の包装から新型コロナウイルスが検出されたことを受け、国内供給力がある家きん肉については、レストランなどで扱う肉を輸入品から国産品に切り替える動きが出てきている。豚肉の国内生産が回復してきている中、豚肉についても同様に、輸入品の取り扱いが減少することで、輸入量が減少する可能性もある。

(調査情報部 寺西 梨衣)