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国内の需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2021年5月号

令和3年2月の生乳生産量は増産基調を継続

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2月の生乳生産量は前年同月を下回るも日量では増産
 令和3年2月の全国の生乳生産量は、58万2914トン(前年同月比2.3%減)と前年同月をわずかに下回った(図24)。地域別に見ると、北海道は32万3117トン(同1.5%減)、都府県も25万9797トン(同3.2%減)と、いずれも前年同月を下回った。
 前年がうるう年であったため統計上は総じて前年同月を下回っているが、前年同月を28日間として試算すると、本年2月の前年同月比は全国で1.2ポイント、北海道で2.0ポイント、都府県で0.3ポイント上回っており、前年からの増産基調は継続している。
 

 令和3年2月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは30万7708トン(同2.0%減)と3カ月ぶりに前年同月を下回った。うち業務用向けは減少傾向にあるが、前月よりも減少幅は2.5ポイント縮まり、2万2874トン(同8.6%減)となった。
 乳製品向けは、チーズ向けが3万6179トン(同8.0%増)と前年同月を上回った一方、脱脂粉乳・バター等向けが14万2859トン(同1.6%減)、クリーム向けが5万2804トン(同3.1%減)と前年同月を下回ったことなどから、27万1588トン(同2.6%減)と前年同月を下回った。なお、脱脂濃縮乳向けは3万8576トン(同9.6%減)と、平成29年2月以来4年ぶりに4万トンを下回った。
 しかしながら、上述と同様の理由で、前年同月を28日間として試算すると、本年2月の前年同月比は牛乳等向けで1.5ポイント上回っており、業務用向けでは5.3ポイント下回った。また、乳製品向けでは、チーズで11.8ポイント、脱脂粉乳・バター等向けで1.9ポイント、クリーム向けで0.4ポイント上回り、全体では0.9ポイント上回った。脱脂濃縮乳向けは、6.4ポイント下回った。(農林水産省「牛乳乳製品統計」、独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

令和2年のバターおよびチーズの総生産能力が拡大
 農林水産省が令和3年3月19日に公表した「牛乳乳製品統計調査結果(令和2年基礎調査)」によると、令和2年12月31日現在の牛乳処理場および乳製品工場は559工場(前年比4工場減)となった(図25)。区分別に見ると、生乳を処理した工場のうち、牛乳処理場は361工場(同7工場減)、乳製品工場は138工場(同1工場減)となり、また、生乳を処理しない工場は60工場(同4工場増)となった。
 一方、これを製品の種類別に見ると、飲用牛乳等(注1)の製造工場は358工場(同8工場減)と減少傾向が続く中で、乳製品製造工場は327工場(同5工場増)と増加している。乳製品製造工場のうち、バターの製造工場は73工場(同3工場増)と増加した。また、チーズの製造工場についても182工場(同5工場増)と増加傾向が続いているが、これは直接消費用ナチュラルチーズの製造工場の増加によるものである。これらは、いずれも需要の増加が背景にあるとみられる。

(注1) 「 飲用牛乳等」とは、牛乳、成分調整牛乳および加工乳をいう。また、「牛乳等」とは、飲用牛乳等に乳飲料、はっ酵乳および乳酸菌飲料を加えたものの総称である。

 
 また、生産能力について見ると、飲用牛乳等が毎時2864キロリットル(同2.7%減)と低下した一方、はっ酵乳は毎時731キロリットル( 同0.8%増) と上昇した( 図26)。乳製品は、バター(連続式)が毎時60トン(同9.1%増)、チーズ(連続式)毎時62トン(同3.3%増)、れん乳が毎時79トン(同2.6%増)といずれも上昇した一方、粉乳は毎時96トン(同5.0%減)とやや低下した(図27)。



 
 
 以上のことから、バターおよびチーズについては、製造工場数および生産能力ともに増加し、総生産能力が拡大する一方、いずれの指標も減少している飲用牛乳等については、総生産能力が縮小していることが見て取れる。

令和2年度のバターの一般輸入数量、前年度比139.8%増
 令和2年度に一般輸入(注2)されたバター(注3)の数量は、506トン(前年度比139.8%増)と前年度を大幅に上回った。月別に見ても、すべての月で5カ年平均(平成28年度〜令和2年度)を上回って推移した(図28)。特に1月は76トンと、前年同月の4倍となる高水準を記録した。こうした輸入増の背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が長期化し、外食頻度が減少する中、家庭内で消費する食料品の一部についての高価格志向、いわゆる「プチぜいたく」による消費行動の一つとして、ヨーロッパ産をはじめとする外国産高級バター需要が増加していることなどがあるとみられる。

(注2) ガット・ウルグアイ・ラウンドの国際約束に基づき、定められた関税相当量を支払うことで輸入する方法。当機構は、法律(畜産経営の安定に関する法律第18条)の規定に基づき、一般輸入に係る買入れ・売戻しの手続きを実施している。

(注3) バターオイルを含む。
 
 
(酪農乳業部 鈴木 香椰)



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