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国内の需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2021年6月号

令和2年度のバター・脱脂粉乳生産量、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく増加

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3月の全国生乳生産量、前年同月比0.8%増
 令和3年3月の全国の生乳生産量は、65万5238トン(前年同月比0.8%増)と前年同月をわずかに上回った(図15)。地域別に見ると、北海道は35万8763トン(同1.4%増)、都府県も29万6475トン(同0.1%増)と、いずれも前年同月をわずかに上回り、堅調に推移した。
 3月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは32万9087トン(同5.8%増)と前年同月を上回り、このうち業務用向けは2万6678トン(同7.0%増)と15カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、乳製品向けは、32万2419トン(同3.8%減)と前年同月をやや下回った。品目別に見ると、チーズ向けが4万421トン(同2.5%減)、脱脂粉乳・バター等向けが17万2130トン(同7.2%減)と前年同月を下回ったものの、クリーム向けは6万3368トン(同10.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 

 上記の結果、同月の市乳化率 (注)は、前年同月と比べ2.3ポイント高い50.2%となった。市乳化率は例年、学校の春休みを迎える3月が最も低く、特に、2年3月には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を背景とする学校給食用牛乳の需要減少や外出自粛に伴う業務用牛乳需要の減少により、47.9%まで低下した。本年3月は、21日まで11都府県で緊急事態宣言が発令されたが、休校などの措置は取られず、市乳化率は例年並みの水準となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

(注) 生乳生産量に占める牛乳等向け処理量の割合。

令和2年度都府県の生乳生産量、8年ぶりの増産
 令和2年度の生乳生産量は、743万3328トン(前年度比1.0%増)と前年度をわずかに上回った(図16)。地域別に見ると、北海道は4年連続で前年度を上回り、415万8475トン(同1.6%増)と堅調に推移した。都府県も327万4853トン(同0.1%増)と、わずかながらも8年ぶりの増産となった。特に、中国地域は前年度を4.8%上回り、3年連続の増産となった。また、東山地域と近畿地域は、昨年度までそれぞれ24年間、23年間連続して前年度を下回り、減少傾向で推移していたが、2年度は前年度をそれぞれ2.3%、1.5%上回るなど、これらの地域において生乳生産の増産が見られた。
 なお、全国の生乳生産量に占める北海道のシェアは55.9%、都府県は44.1%となった。北海道が都府県を上回った平成22年度以来、シェアの差は拡大基調で推移してきたが、今年度は都府県の生産量増加により、昨年度からの増加幅は0.7ポイント増と、わずかな増加にとどまった。
 

令和2年度牛乳生産量は、直接飲用がけん引し前年度比微増
 令和2年度の牛乳生産量を区分別に見ると、学校給食用は32万7846キロリットル(前年度比0.5%減)、業務用は27万7594キロリットル(同12.3%減)と、いずれも前年度を下回った。一方、全体の8割を占める家庭内消費主体の直接飲用が258万9670キロリットル(同3.1%増)とやや増加したため、牛乳全体として見ると319万5110キロリットル(同1.2%増)と前年度をわずかに上回った(表4)。
 

 区分別の動向を月別に見ると、COVID-19の影響を受けて大きく変動した1年間であった。学校給食用は、通年としては上述の通り前年度をわずかに下回った水準となったものの、4〜5月にかけては全国的な小中学校の臨時休校を受けて前年同月を約80%下回った一方、7〜8月にかけては夏休みの短縮によりそれぞれ前年同月を43.0%、172.7%上回った。他方、業務用は、同年4月に1度目の緊急事態宣言が発令されたことで需要が大幅に落ち込み、その後も外出自粛などの影響を受け年間を通して減少傾向で推移したことから、通年で見ても前年度をかなり大きく下回る水準となった。直接飲用については、巣ごもりによる増加に加え、農林水産省が実施した「プラスワンプロジェクト」や乳業メーカーなどの販売促進活動などの取り組みが後押ししたこともあり、年度前半を中心に堅調に推移した。
 なお、牛乳等のうち、平成28年度をピークに昨年度まで減少傾向にあったはっ酵乳は、免疫力強化の観点からの健康志向の高まりなどを背景とする需要拡大に支えられ、令和2年度前半に増産され、同年度の生産量は105万3029キロリットル(同1.9%増)と、4年ぶりに前年度を上回った。

令和2年度乳製品等生産量、バター・脱脂粉乳およびチーズ以外はおおむね低調
 令和2年度の乳製品等生産量を品目ごとに見ると、バターは7万944トン(前年度比8.3%増)、脱脂粉乳は14万432トン(同7.6%増)と前年度をかなりの程度上回った(表5)。これらの品目は、上述の通り学校給食用牛乳の供給停止や外出自粛に伴う業務用牛乳需要の減少などにより過剰となった生乳の廃棄を回避すべく、春から夏にかけて緊急的な増産が行われ、その後も例年に比べて増加傾向が続いている。
 また、チーズは、巣ごもり需要などに代表される家庭内消費の拡大から、16万535トン(同2.4%増)と前年度をわずかに上回った。一方、その他の乳製品は、業務用需要の減少を受け、れん乳類は前年度比10.4%減、全粉乳は同23.3%減、クリームは同4.7%減、アイスクリームは同10.5%減と、軒並み前年度を下回った。特に、れん乳類と全粉乳は、年間を通して前年同月を下回って推移し、過去最低水準となった。
 

 
(酪農乳業部 鈴木 香椰)



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