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海外の需給動向【豚肉/メキシコ】 畜産の情報 2021年7月号

国内外でメキシコ産豚肉の需要が高まり、2021年の生産量・輸出量ともに増加見込み

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豚肉生産量は増加傾向で推移、2021年も増加見込み
 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は3月16日、2021年のメキシコの豚肉需給見通しを発表した。これによると、本年の豚肉生産量は149万5000トン(前年比3.0%増)と見込まれている(表10)。増加の要因としてUSDA/FASは、メキシコでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に伴う所得の減少などから牛肉より安価な豚肉の需要が高まっていることや、輸出先での豚肉需要を背景とした輸出の伸びを挙げている。また、米ドルに対してペソ安で推移する為替相場から、米国などからの豚肉輸入が抑制されることも豚肉の生産を促すものとしている。メキシコ養豚業界はこうした国内外からの需要を満たすため、インテグレーション化の推進、技術投資、飼養衛生管理などの強化を継続しており、同国の豚肉生産は成長を続けている。
 

豚肉消費量の回復に伴い生体豚価格も上昇
 USDA/FASによると、2020年のCOVID-19の拡大を受けたメキシコ政府の対応(国民への自宅待機の呼びかけ)などにより、外食産業は大きな影響を受け、豚肉の一人当たりの消費量が減少し、20年の消費量は205万2000トン(前年比5.0%減)と前年から10万トンを超える落ち込みを見せた(表10)。一方、21年は、外食事業者がオンライン販売に取り組むなど消費者の需要に対応したことで、211万トン(同2.8%増)まで回復すると見込まれている。
 国家情報市場統合システム(SNIIM)によると、生体豚の価格は消費需要の低下などから20年5月には1キログラム当たり22.72ペソ(148円:1ペソ=6.50円)と大幅に低下したが、同年7月以降は回復傾向にあり、中国向けの強い輸出需要から21年4月には1キログラム当たり39.50ペソ(257円、前年同月比43.6%高)と大幅に上昇している(図10)。
 

中国および米国の豚肉需要から輸出量は増加
 近年、メキシコの豚肉輸出量は日本向けを主体に増加傾向にあるが、2020年は、特に中国向けや米国向けの増加を受けて前年比48.2%増と大幅に増加した(図11)。また、月別に見ると、中国向けの増加を背景に20年初旬から増加基調で推移している(図12)。
 USDA/FASによると、日本、中国、韓国、ベトナム、シンガポールなどのアジアの市場からのメキシコ産豚肉の輸入需要が高かったことから、20年はメキシコ国内の食肉処理施設が輸出向けを拡大して対応したとされている。また、21年の輸出量については、20年に見られたような中国向けの急増などによる爆発的な増加は見込めないものの、引き続き日本向けや中国向けなどの輸出量増加が見込まれている。
 


 
(調査情報部 岡田 卓也)