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海外の需給動向【豚肉/EU】 畜産の情報 2021年8月号

第1四半期の豚肉生産量は前年同期比4.0%増

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3月の豚肉生産量は前年同月比8.8%増
 欧州委員会によると、2021年3月の豚肉生産量(EU27カ国)は、前年同月比8.8%増の217万5430トンとなった(図14)。また、と畜頭数は同7.8%増の2292万頭、1頭当たり枝肉重量は同1.0%増の95.0キログラムとなった。同月の生産量を主要生産国別に見ると、前年同月をわずかに下回ったドイツ(同0.2%減)を除き、スペイン(同7.6%増)、フランス(同10.3%増)、ポーランド(同12.3%増)、デンマーク(同16.5%増)、オランダ(同16.9%増)、イタリア(同32.6%増)は前年同月を上回った(表6)。
 欧州委員会によると、豚肉生産量増加の要因として1頭当たりの枝肉重量が前年を上回る中、主要輸出国のスペイン、デンマーク、オランダなどでと畜頭数が増加したためとしている。また、イタリアの生産量増加の要因は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による昨年の豚肉生産の大幅な落ち込みの反動によるものとみられている。




豚肉輸出量は前年同期を大幅に上回る
 欧州委員会によると、2021年1〜4月のEU域外(英国を除く)への豚肉(生鮮・冷蔵、冷凍)輸出量(EU27カ国)は、前年同期比24.3%増の210万7500トンと大幅な増加となった(表7)。
 主要輸出先別に見ると、日本向けが唯一減少(同22.5%減)した中で、中国向け(同16.6%増)、フィリピン向け(同3.3倍)、香港向け(同31.4%増)、韓国向け(同2.7%増)、ベトナム向け(同2.1倍)、米国向け(同42.6%増)が軒並み増加した。フィリピンとベトナム向けの増加は、両国でのアフリカ豚熱の発生に伴う豚肉供給不足が要因と考えられる。
なお、中国向けは、同国でのアフリカ豚熱発生以降、輸出量を増やしていたものの、中国国内の豚肉供給量の増加に伴い、5月のスペインからの輸入量が前月比31%減と大幅に落ち込むなど、増加傾向が鈍化している。

 
豚枝肉卸売価格は、6週ぶりに前週を下回る
 欧州委員会によると、2021年5月の豚枝肉卸売価格(EU27カ国)は、前年同月比2.3%安の100キログラム当たり158.7ユーロ(2万1107円:1ユーロ=133円)となり、20年5月以降、COVID-19拡大による需要低迷やドイツでの野生イノシシにおけるアフリカ豚熱の感染確認を受けて低迷しており、13カ月連続で前年同月を下回っている。
 また、同価格の動向を週ごとに見ると、2月以降は上昇基調で推移していたものの、直近の6月14日の週は6週ぶりに前週を下回る前週比1.5%安の同163.66ユーロ(2万1767円)となった(図15)。
 同価格が上昇基調にあったのは、EU域内で、COVID-19に伴う規制が解除され、レストランや観光などが再開していることに加え、天候に恵まれ、バーベキューなどの需要が増えていることが挙げられる。
 なお、同価格の前週比安については、現地情報によると、中国の供給回復によるとみられる豚肉国内価格の下落などに伴い、中国向け輸出量が減少し、EU域内での供給量が増えたことが挙げられている。一方で、スペインでは観光業の再開による需要回復から、同価格は同190ユーロ(2万5270円)を上回るなど、好調な国もあることから、今後の推移が注目される。
 

(調査情報部 小林 智也)