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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報  2021年8月号

5月の生乳生産量、輸出量ともに前年同月を上回る

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2020/21年度の生乳生産量、前年度よりわずかに増加
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2021年5月の生乳生産量は97万4000トン(前年同月比7.6%増)と前年同月をかなりの程度上回り、2020/21年度(6月〜翌5月)の累計も2233万9000トン(前年度比2.6%増)と前年度をわずかに上回った(注1)(図20)。
 2021/22年度の状況について現地報道によると、6月時点の牧草の生育状態が全国的に例年の平均レベルを下回っていることや、日照時間も平均を少し下回っていることなどから、今後の放牧環境や飼料作物への影響が懸念されている。一方で、高い乳価水準を背景に酪農家が補助飼料の購入など増産意欲を高めていることで、生乳生産量は引き続き前年を上回って推移すると見込まれている。

(注1)海外情報「2020/21年度の生乳生産、過去最高を更新(NZ)」(https://www.alic.go.jp/chosa-cu/joho01b_000048.html)を参照されたい。

 
5月の中国向け輸出量が大幅に増加
 ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2021年5月の主要乳製品4品目(全粉乳、脱脂粉乳、バターおよびバターオイル、チーズ)の輸出量は、バターおよびバターオイル以外の品目で前年同月を大幅に上回った(表12、図21)。これは、最大の輸出先国である中国向けが伸びる中で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で大幅に落ち込んだ前年同月の反動によるものとみられている。中国では、新型コロナウイルス感染者数の減少に伴い経済活動が急速に回復する中で乳製品の輸入需要も高まっている。
 同月の輸出量を品目別に見ると、脱脂粉乳は3万3648トン(前年同月比5.4%増)と6カ月ぶりに増加に転じ、特に主要輸出先である中国向けが1万3522トン(同63.7%増)と大幅に増加した。また、日本向けも389トン(同約2倍)と大幅に増加した。全粉乳は13万1753トン(同21.9%増)と前年同月を大幅に上回った。中国向けは6万7896トン(同97.6%増)と前年同月より約2倍に増えたほか、日本向けも77トン(同52.4%)と大幅に増加した。一方、バターおよびバターオイルは3万2498トン(同8.7%減)とかなりの程度下回った。中国向けが8500トン(同53.4%増)と大幅に増加したものの、米国向けが657トン(同56.1%減)と大幅に減少したことなど他国での減少が影響したとみられる。チーズは3万5009トン(同27.5%増)と7カ月連続で前年同月を上回った。主要輸出先国である日本や韓国向けは前年同月を下回ったものの、外食産業の回復などから中国向けが8812トン(同60.8%増)と大幅に増加したことがけん引した。




GDT、全粉乳が4000米ドル台割れ
 2021年6月15日に開催されたグローバルデーリートレード(GDT:乳製品の国際価格の指標の一つであるフォンテラ社主催の電子オークション。月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、全体としては過去3カ月間の取引と同じく小幅な動きを踏襲したが、現地報道によると、脱脂粉乳と全粉乳の下落幅は市場関係者の事前予想を上回ったとされている(表13、図22)。
 脱脂粉乳については、北アジアを除いて全地域で応札量が減少したことを受け、前回比1.7%安の1トン当たり3356米ドル(37万6000円)となった。全粉乳は北アジア(注2)からの需要が再び高まっているものの、同3997米ドル(44万8000円、同1.6%安)と約3カ月ぶりに4000米ドル台を下回った。バターも北アジアを中心に一定の応札量があったものの、同1.7%安の同4612米ドル(51万7000円)となった。チーズは東南アジアとオセアニアの応札増がけん引した結果、同0.1%高の同4328米ドル(48万5000円)となった。
 現地報道によると、全粉乳の平均取引価格が4000米ドル台を下回ったことについて、相対的には引き続き高水準ではあるものの、今後もこの下落傾向が続けば北アジア以外の需要も高まる可能性があるとされている。

(注2)ニュージーランド外務貿易省は、中国、日本、香港、韓国、台湾を北アジアとしている。
 

 
 

(調査情報部 廣田 李花子)