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海外の需給動向【牛乳・乳製品/中国】 畜産の情報  2021年8月号

生乳生産量は増加基調ながらも生乳価格は高値を維持

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2021年1〜3月の生乳生産量は増加
 中国では、乳製品に含まれる良質なたんぱく質や免疫増強効果への期待感から乳製品の積極的な消費が習慣化しつつある中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が契機となり、特に牛乳やヨーグルトなどの需要が伸びているとされている。こうした状況を背景に、生乳や乳製品の増産機運が一段と高まっており、中国国家統計局によると、2021年1〜3月の生乳生産量は前年同期比8.5%増(56万トン増)の709万トンとなった。
 中国農業農村部が6月に公表した「中国農業展望報告(2021-2030)」によると、2021年の生乳生産量は各地で酪農場の建設が推進されていることから前年比1.3%増の3591万トンと予測されている(注)

(注)海外情報「中国農業展望報告(2021-2030)を発表(乳製品編)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002994.html)を参照されたい。
 

堅調な需要を背景に生乳価格は高値を維持
 生乳生産が増加する中で乳製品の需要も引き続き堅調なことから、同年6月の生乳価格は1キログラム当たり4.3元(75円:1元=17.5円)と高値を維持している(図23)。
 「中国農業展望報告(2021-2030)」によると、乳製品需要が好調な中で飼料価格の高騰などによる生産コストの上昇を反映し、同年の生乳価格は上昇傾向を維持すると予測されている。



乳製品輸入量は引き続き増加の予測
 2021年1〜5月の乳製品輸入量は、国内の生乳生産では旺盛な需要を満たすことが困難なことから引き続き増加傾向にあるが、品目別に見ると、ヨーグルトと育児用調製粉乳(以下「育粉」という)は、前年同期に比べて減少した(表14)。ヨーグルトについては、国内の需要が高い中で乳業各社が生産能力を高めているとされることから、20年以降の輸入量は減少傾向にある。また、育粉については、主要輸入先であるEUでのCOVID-19の拡大や輸入食品の包装から新型コロナウイルスが検出されたことを契機に、小児用食品を中心に国産志向が高まっていた流れを受け、輸入量が減少したとみられる。
 一方、飲用乳の輸入は引き続き増加傾向にある。現地専門家によると、輸入飲用乳(主に、1リットルパックの常温保存可能な製品)に対し、多くの消費者が品質と栄養価が高く、価格もリーズナブルだというイメージを持っており、これが輸入増を後押ししているとされる。また、購買方法については、近年中国で活発に利用されているインターネットを通じた売買が大きな役割を果たしているとされている。
 なお、「中国農業展望報告(2021-2030)」によると、国内の生乳生産は増加傾向にあるものの、引き続き需給はひっ迫基調であることから、21年の輸入量は前年比3.5%増の1886万トン(生乳換算ベース)とやや増加することが予測されている。
 


 

(調査情報部 阿南 小有里)