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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2021年10月号

3年7月の牛肉生産量、前年同月比3.8%減

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1 令和3年7月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万9501トン(前年同月比3.8%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別でも、和牛は1万4973トン(同3.0%減)とやや、交雑種は6964トン(同7.2%減)とかなりの程度、乳用種は7096トン(同2.2%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。
 なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較では、0.4%減とわずかに下回る結果となった。

 
2 7月の輸入量は、冷蔵品は、前年同月の輸入量が北米の現地工場の稼働停止の影響による現地価格の高騰などで少なかったことから、2万4954トン(同7.3%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。冷凍品は、豪州産牛肉の生産量減少や米国産牛肉のアジア諸国への輸出量の増加および米国の国内需要の増加による現地相場の高騰などから、2万7034トン(同7.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図3)。この結果、全体では5万2005トン(同1.2%減)と前年同月をわずかに下回った。
 なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は4.3%増とやや上回る一方、冷凍品は22.7%減と大幅に下回る結果となった。



 
3 7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は195グラム(同0.9%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較では、8.0%増とかなりの程度上回る結果となった。
 また、外食産業全体の売上高(同2.1%増)は、緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置が首都圏などに適用されたものの、持ち帰り需要が強みのファーストフードが全体をけん引したことから、前年同月をわずかに上回る結果となった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風はオリンピックの自宅観戦でテイクアウトとデリバリーが増えたことにより、同15.8%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は、同1.0%増と前年同月をわずかに上回った。一方、焼き肉は酒類提供の自粛要請により休業を選択した店舗も多くあったことから、同13.5%減と前年同月をかなり大きく下回った。

4 7月の推定期末在庫は、13万389トン(同9.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図4)。このうち、輸入品は11万6799トン(同12.7%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 推定出回り量は、7万8215トン(同9.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万8482トン(同6.6%減)、輸入品は4万9734トン(同10.8%減)と、ともに前年同月をかなりの程度下回った。

 
 
(畜産振興部 高城 啓)