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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2021年11月号

3年8月の牛肉生産量、前年同月比0.5%減

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1 令和3年8月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万5549トン(前年同月比0.5%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。品種別では、和牛は1万1684トン(同0.5%減)、交雑種は6330トン(同1.3%減)と、ともに前年同月をわずかに下回った。一方で、乳用種は7136トン(同0.5%増)と、前年同月をわずかに上回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均生産量との比較では、0.2%増と同水準となった。
 

2 8月の輸入量は、冷蔵品は、前年同月の輸入量が北米の現地工場の稼働率の低下および豪州の干ばつ後の牛群再構築による生産量減少に伴う現地価格の高騰などにより少なかったことから、2万3326トン(同20.6%増)と前年同月を大幅に上回った(図2)。冷凍品は、豪州産の輸入量が現地価格の高騰などにより前年同月と同様に少なかったものの、他国産の冷凍品が増加したことから、3万417トン(同9.3%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図3)。この結果、全体では5万3761トン(同13.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は0.1%減と同水準となった一方、冷凍品は19.7%増と大幅に上回る結果となった。
 



3 8月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は206グラム(同1.0%減)と前年同月をわずかに下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の8月の平均消費量との比較では、4.5%増とやや上回る結果となった。
 一方、外食産業全体の売上高(同8.6%減)は、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の全国的な拡大により外食の営業規模がさらに縮小し、お盆休みの需要が振るわなかったことに加えて、大雨の影響もあったことから、前年同月をかなりの程度下回る結果となった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、テイクアウト、ドライブスルーおよびデリバリーの需要拡大により、同6.0%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は、東京オリンピック・パラリンピックに合わせたテイクアウトキャンペーンなどもあり、同0.1%減と前年同月並みとなった。一方、焼き肉は緊急事態宣言の実施区域で休業店が増えたことから、同26.6%減と前年同月を大幅に下回った。

4 8月の推定期末在庫は、13万4775トン(同5.4%減)と前年同月をやや下回った(図4)。このうち、輸入品は12万1091トン(同8.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 推定出回り量は、7万4200トン(同0.3%増)と前年同月並みとなった(図5)。このうち、国産品は2万4732トン(同2.4%減)と、前年同月をわずかに下回った一方、輸入品は4万9469トン(同1.6%増)と、前年同月をわずかに上回った。
 


 
(畜産振興部 今岡 峻人)