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海外の需給動向【牛乳・乳製品/NZ】 畜産の情報  2021年11月号

8月の生乳生産量、前年同月を9カ月ぶりに下回る

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8月の生乳生産量は、前年同月比4.8%減
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2021年8月の生乳生産量は、前年同月比4.8%減の139万7000トンとやや減少し、20年11月以来9カ月ぶりに前年同月を下回った(図20)。現地報道によると、昨年の記録的な暖冬と打って変わり、8月は強い偏西風が大雨と寒波をもたらしたことで、搾乳環境が大きく変化したことを生乳生産量減少の要因として挙げている。また、昨年は牧草生育のピークである10月に北島が平年よりも乾燥した気候であったことから、飼料不足なども生乳生産に影響を与えた可能性があるとされている。今後、9〜10月にかけて天候は平年並みと予想されており、牧草の生育状況が改善し、生乳生産量も回復すると見込まれている。


8月の乳製品輸出量、脱脂粉乳を除き前年同月比減
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2021年8月の乳製品輸出量は、主要4品目のうち脱脂粉乳が前年同月を上回る一方、全粉乳、バターおよびバターオイル、チーズは前年同月を下回った(表11、図21)。
 脱脂粉乳については、主要輸出先である中国向けが前年同月比5.6%減の3250トンとやや減少した一方、マレーシア向けが同20.9%増の1076トンと大幅に増加するなど東南アジア向けが好調となったことから、全体では大幅な増加となった。
 一方、全粉乳は、中国向けが同3.3%増の1万6366トンとやや増加したものの、東南アジア向けなどが減少し、全体では同23.7%減の3万8436トンと大幅に減少した。
 バターおよびバターオイルは、中国向けが同121.6%増と大幅に増加したが、前年同月に輸出量の多かったロシアやエジプト向けがそれぞれ同82.2%減、81.2%減といずれも大幅に減少し、全体では同2.5%減の1万4038トンとわずかに減少した。
チーズは、主要輸出先である日本向けが前年同月比63.4%減の1791トンと大幅に減少したほか、中国や韓国向けも前年同月を下回った。全体では、同30.7%減の1万3420トンと20年10月以降10カ月ぶりに前年同月を下回った。




乳製品国際価格は、粉乳類が前回から上昇
 2021年9月21日に開催されたグローバルデイリートレード(GDT:月2回開催されるフォンテラ社主催の電子オークション。乳製品の国際価格の指標とされる)の乳製品主要4品目の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表12、図22)。




 前回開催(本年9月7日)時との比較では、脱脂粉乳の価格は0.9%高の1トン当たり3302米ドル(37万3000円)となった。主要輸出先である北アジア(注)のほかアフリカからの買いがけん引し、前回を上回った。
 全粉乳は、前回比2.3%高の同3777米ドル(42万7000円)となった。東南アジアからの買いが最も多く、北アジアの買いは前回を下回ったものの、全体としてはわずかな上昇にとどまった。
 バターは、同1.8%安の同4857米ドル(54万9000円)となり、前回をわずかに下回った。北アジアの購入量が最も多かったものの、昨年同時期と比べて購入量は下回った。
 チーズは、同1.2%安の同4274米ドル(48万3000円)とわずかに下落した。北アジアのほか東南アジアやアフリカからの買いが強かった。
 現地報道によれば、東南アジアやアフリカからの購入総額は増加傾向にあり、世界的な乳製品需要の高まりを反映しているとされる。

(注) ニュージーランド外務貿易省は、中国、日本、香港、韓国、台湾を北アジアとしている。

(調査情報部 廣田 李花子)