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海外の需給動向【牛肉/ウルグアイ】 畜産の情報 2022年5月号

2021年の牛肉輸出量、生産量の回復を背景に増加

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牛と畜頭数、3年ぶりに増加に転じ過去最多を記録
 ウルグアイ食肉協会(INAC)によると、2021年の牛と畜頭数は、263万8000頭(前年比31.5%増)とこれまで最多であった06年を約5万頭上回った(図1)。近年のと畜動向を見ると、19〜20年は、16〜18年に生体牛(雄子牛)輸出が増加した結果、と畜頭数が減少している。一方、21年は、主要な生体牛輸出先であるトルコが19年に輸入制限措置を講じたため19~20年の生体牛輸出が減少したことや子牛出生頭数が増加したことなどから大幅に増加した。

 
牛肉輸出量は中国向けを中心に大幅に増加
 2021年の牛肉輸出量は、と畜対象となる牛群の増加や堅調な牛肉価格などによる生産増を反映して、41万6023トン(前年比37.0%増)と前年を大幅に上回った(表)。

 
 輸出先別に見ると、全体の約7割を占める中国向けは28万6416トン(同57.9%増)と大幅に増加した。これは、同国向けで競合するブラジルでの非定型BSE確認に伴う輸出停止措置の影響やアルゼンチン、豪州からの輸出減などが要因とみられる。一方、中国に次ぐ米国向けは、20年に大きく増加した反動で3万6209トン(同15.5%減)と前年を下回ったものの、依然、低関税枠(2万トン)を大幅に上回っている。
 EU向けは、ヒルトン枠と高級牛肉無税枠(注1)での輸出が大半を占めている。ウルグアイのヒルトン枠消化率は、18/19年度(7月〜翌6月)まで98%以上であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響などから19/20年度(70.9%)、20/21年度(91.2%)といずれも消化率が低下している。
 また、19年2月に19年ぶりとなる輸出が再開された日本向けは、冷蔵品を主体(輸入量の約7割)として6598トン(同116.5%増)と前年を大幅に上回った(図2)。なお、ウルグアイでは穀物肥育牛の生産が増加し21年には全体のと畜頭数の2割程度を占めた。

(注1) ヒルトン枠(EU規則593/2013)は、EUにおける高級牛肉の低関税輸入枠であり、放牧肥育であることなどが条件とされる。また、高級牛肉無税枠(同481/2012。QUOTA481)は、一定期間の穀物給与などが義務付けられている。

 
去勢牛生産者出荷価格は上昇傾向で推移
 INACによると、2021年の去勢牛生産者出荷価格は、海外からの強い牛肉需要を背景として上昇傾向で推移した(図3)。この傾向は22年も継続しており、22年2月第1週は1キログラム当たり5.067米ドル(625円:1米ドル=123.39円(注2)、前年同期比53.6%高)と高水準で推移している。

(注2) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年3月末TTS相場。

 

(調査情報部 井田 俊二)