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海外の需給動向【牛肉/豪州】 畜産の情報 2022年7月号

牛肉輸出量は低迷も、中国向けは比較的堅調

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雌牛のと畜頭数割合が減少
 豪州統計局(ABS)が2022年5月に公表した統計によると、同年1〜3月期の牛と畜頭数は142万頭(前年同期比4.2%減)とやや減少しており、牛肉生産量も45万2700トン(同0.6%減)とわずかに減少した(図1)。牛肉生産量の減少率がと畜頭数より緩やかなのは、1頭当たりの平均枝肉重量が増加していることによるもので、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、牛価格の上昇を背景に生産者が増体を図る傾向にあることや、フィードロットから出荷される牛の割合が増加したことが要因としている。
 なお、豪州フィードロット協会(ALFA)によると、同期のフィードロット飼養頭数は、126万9927頭と過去最高を記録しており、フィードロットの稼働率も85.5%と高い水準になっている(注1)

(注1) 海外情報「フィードロット飼養頭数および収容可能頭数、過去最高に(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003267.html)を参照されたい。


 
他方、豪州の牛群の動向を示す指標である、と畜頭数全体に占める雌牛の割合「FSR」(注2)を見ると、22年3月は42.1%と、前回公表(2年12月)の44.7%から2.6ポイント低下している(図2)。
 MLAによると、現状では牛群再構築は継続されているものの、今後、ラニーニャ現象が終息し、干ばつのサイクルに入れば一気にと畜が進み、牛肉生産量は増加するとしている。

(注2) 同値が47%を超えた場合には牛群が縮小に向かうとされ、47%以下の場合、牛群が再構築段階に入るとされている。
 

 
肉牛価格は引き続き高値安定
 肉牛生体取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は1キログラム当たり1100豪セント(1033円:1豪ドル=93.95円(注3))前後で推移しており、2022年5月24日時点で同1115豪セント(1048円)と、引き続き高値安定の相場が続いている(図3)。

(注3) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年5月末TTS相場。
 
中国向け輸出は比較的堅調に推移
 豪州農業・水・環境省(DAWE)によると、2022年4月の牛肉輸出量は6万1705トン(前年同月比14.9%減)とかなり大きく減少した(表)。現地報道によると、4月は豪州の祝祭日が多く、食肉処理施設の稼働日数が他の月よりも少ないため、例年、生産量・輸出量ともに減少する月であるとしている。その一方で、21年は豪中貿易摩擦の影響で振るわなかった中国向けは1万1730トン(同8.4%増)とかなりの程度増加しており、上海のロックダウンなど新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を考慮しても、比較的堅調に推移したとしている。
 
 
(調査情報部 国際調査グループ)