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海外の需給動向【牛肉/中国】 畜産の情報 2022年7月号

牛肉生産量は増加傾向も、引き続き高値で推移

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牛肉生産量は22年も増産の見込み
 中国国家統計局によると、2021年の牛肉生産量は飼養頭数や枝肉重量の増加などから前年比3.7%増の698万トンとなった(図1)。また、22年1〜3月期の生産量は、前年同期比3.6%増の171万トンとなった。
 中国農業農村部が4月に公表した「中国農業展望報告(2022―31)」(以下「展望報告」という)によると、品種改良や家畜伝染病の予防・管理の強化などにより22年の牛肉生産量は710万トン(前年比1.7%増)としている。


 
牛肉価格は引き続き高値で推移
 牛肉卸売価格は、需要の拡大や飼料価格高騰などの影響で2019年後半以降、高値で推移しており、22年5月には1キログラム当たり74.0元(1442円:1元=19.48円(注))となった(図2)。
 展望報告によると、22年も堅調な需要と飼料価格の高騰が見込まれることなどから、同価格は引き続き高値で推移するとされている。ただし、豚肉価格が低下していることなどから、大幅に上昇する可能性は低いとしている。

(注) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年5月末TTS相場。
 

 
牛肉輸入量は22年も増加見込み
 中国では牛肉生産の拡大が図られているが、高まる需要に追い付かず牛肉輸入量は増加傾向で推移しており、2021年の牛肉輸入量は、冷凍・冷蔵ともにかなりの程度増加した(表1、2)。輸入先別の動きを見ると、豪州が大幅に減少した一方で、米国、ロシア、ウルグアイなどが大幅に増加した。この要因について、現地専門家は、中豪間の貿易摩擦の影響で輸入先を他国にシフトする動きが見られたことや、米国国内で中国向け輸出認定を受けた食肉処理加工施設が増加したことを挙げている。
 22年1〜4月の牛肉輸入実績を見ると、冷凍はかなり大きく減少した一方、冷蔵は大幅に増加した。COVID-19の影響は受けつつも需要は底堅いとされる中で、冷凍牛肉の輸入量が減少した要因として、現地専門家は、牛肉価格の国際的な上昇により中国国内の輸入意欲が一時的に低下したこと、また、中国国内でのCOVID-19再拡大の影響により、一部港湾施設で特に冷凍品の通関が遅れがちであったことを挙げている。なお、世界最大の国際貿易港を管理する上海海関総署(日本でいう税関)によると、3月末から実施された上海のロックダウン中も税関業務への制限はなかったが、業務人員の不足や物流・輸送力の低下から、通関や搬出に時間を要する傾向があったとされている。
 展望報告によると、22年も国内の供給量では需要を十分に満たすことができないことなどから、牛肉輸入量は引き続き増加するとされている。
 



(調査情報部 阿南 小有里)