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海外の需給動向【鶏肉/米国】 畜産の情報 2022年7月号

国内の需要増により鶏肉価格は大幅上昇

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鶏肉生産量はわずかに増加
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2021年の米国の処理羽数は92億1100万羽(前年比0.2%減)となった(表1)。一方で、生体重量が1羽当たり2.93キログラム(同0.8%増)と微増だったことから、鶏肉生産量は2036万6000トン(同0.7%増)となった。
 また、22年1〜4月の生産量、処理羽数および生体重量は、いずれも前年同期比増で推移している。現在、米国の一部地域で高病原性鳥インフルエンザが発生しているものの、ブロイラー肉の生産・輸出の多いジョージア州、アラバマ州およびアーカンソー州での発生が報告されていないため、ブロイラー産業への影響は小さいとされている。鶏肉価格が堅調に推移していることから、USDAは22年の鶏肉生産量の予測を上方修正し、さらに23年も増加傾向で推移するとしている。



 
卸売価格は大幅に上昇
 USDA/ERSによると、2022年4月の鶏肉卸売価格は1ポンド当たり1.67米ドル(1キログラム当たり475.40円:1米ドル=129.21円(注)、前年同月比64.4%高)と大幅に上昇した(図1)。21年4月から同価格は13カ月連続で前年同月を大きく上回って推移している。現地情報によると、インフレにより食品価格が上昇している中で、外食産業などでは安価な鶏肉の提供が大幅に増えており、供給が追い付いていないことが要因とされている。USDAは、直近の価格動向と旺盛な需要への期待から22年の同価格の予測を上方修正した。

(注) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年5月末TTS相場。

 
 22年4月の鶏肉冷凍在庫量は、33万2520トン(前年同月比7.7%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。21年の鶏肉の冷凍在庫量は総じて低水準で推移したが、22年に入り2月から3カ月連続で前年同月を上回る水準が続いている。


 
第1四半期の輸出量はわずかに増加
 USDA/ERSによると、2022年第1四半期(1〜3月)の輸出量は前年同期比0.7%増となった(表2)。フィリピン、ベトナム向けなどが大幅に減少したが、台湾、カナダ、グァテマラ、南アフリカ向けの増加がこれを相殺する形となっている。一方で、22年3月の米国の鶏肉輸出量は29万6529トン(前年同月比1.1%減)と旺盛な国内需要を背景にわずかに減少しており、USDAは22年の輸出量の予測を下方修正した。

 
(調査情報部 上村 照子)