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海外の需給動向【牛肉/米国】 畜産の情報 2022年8月号

1〜4月の牛肉輸出量、中国と台湾向けが大幅に増加

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フィードロット飼養頭数は引き続き高水準

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2022年5月のフィードロット導入頭数は186万9000頭(前年同月比2.1%減)、出荷頭数は191万4000頭(同2.4%増)となった。その結果、22年6月1日時点のフィードロット飼養頭数は1184万6000頭(同1.3%増)となり、季節変動として減少傾向にあるものの、1月以降は前年同月を上回る高い水準で推移している(図1)。


 

牛と畜頭数は前年同月から増加

 USDA/NASSによると、2022年5月のと畜頭数は、継続する干ばつの影響による牧草生育状況の悪化や燃料費、肥料費の高騰による経営圧迫から牛群縮小の動きが強まっていることで、281万4000頭(前年同月比4.1%増)となった(図2)。また、5月の週間と畜頭数は13年来の高水準に達するなど、食肉処理場のと畜・加工処理量はパンデミック以前の水準にまで回復している。これにより、22年5月の牛肉生産量は103万7678トン(同3.3%増)とやや増加した。

 

中国・台湾向け輸出の増加が顕著

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2022年4月の牛肉輸出量は13万7881トン(前年同月比5.9%増)と堅調に推移している(表)。


 主要輸出先別に見ると、最大の輸出先である日本向けは、昨年4月16日まで発動されていたセーフガードによる輸出減の反動などから3万2041トン(同8.2%増)とかなりの程度増加した。また、中国向けは、上海でのロックダウンによる需要停滞の影響があった中で、2万4249トン(同7.7%増)と当初の予測に反し増加し、1〜4月の累計では前年同期比42.5%増となった。さらに台湾向けは、現地の好調な食肉需要を背景に、単月としては過去最高となる1万510トン(前年同月比40.3%増)を記録し、特に価格の高い冷蔵牛肉の輸出が好調なことから、輸出市場としての価値が一層高まっている。このほか、フィリピン向けが3146トン(同86.0%増)、インドネシア向けが3045トン(同200.3%増)などASEAN諸国向けの輸出量が記録的ペースで増加している。このような状況について米国食肉輸出連合会(USMEF)は、「最近のインフレやドル高で推移する為替相場、物流面の混乱が米国産牛肉輸出にとって逆風となる中で、アジア圏をはじめとする外食産業の需要回復が輸出を過去に例がないほどに伸ばしている」としている。
 
(調査情報部 伊藤 瑞基)