畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 干ばつなどによる牛群の縮小により牛の供給はひっ迫予測

海外の需給動向【牛肉/米国】  畜産の情報 2022年9月号

干ばつなどによる牛群の縮小により牛の供給はひっ迫予測

印刷ページ

牛総飼養頭数は前年比2.0%減

 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2022年6月のフィードロット導入頭数は162万9000頭(前年同月比2.4%減)とわずかに減少し、出荷頭数は206万1000頭(同2.0%増)とわずかに増加したことから、22年7月1日時点のフィードロット飼養頭数は1134万頭(同0.4%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。
 

 USDA/NASSが半年に一度公表する「Cattle」によると、7月1日時点の牛総飼養頭数は9880万頭(前年比2.0%減)となった(表1)。今年に入ってから続いている深刻な干ばつにより生産者は繁殖雌牛の淘汰とうたを進めており、肉用繁殖雌牛の飼養頭数は同2.4%減、肉用繁殖後継牛は同3.5%減となっている。現地報道によると、干ばつ以外にも生産者は肥料費、燃料費など投入コストの上昇に直面しており、23年まで牛の供給はひっ迫すると予測されている。
 
 

牛肉在庫量は大幅に増加

 USDA/NASSによると、2022年6月の牛肉在庫量は23万5400トン(前年同月比27.4%増)となり、1月以降、前年同月を上回って推移している(図2)。現地報道によると、牛肉在庫増加の要因として、第2四半期の牛肉生産量の増加に加え、安定供給や今後の輸出に対処するため、食肉処理・加工業者が一定量の在庫を抱えていることが要因とされている。

 

牛肉輸出は引き続き堅調

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2022年5月の牛肉輸出量は14万5588トン(前年同月比2.1%増)と依然として堅調に推移し、5月単月の輸出量としては過去最高となった(表2)。これについて米国食肉輸出連合会(USMEF)のホルストロム会長は、「ドル高や輸送・物流の課題などに直面している中で、主要輸出先である日本、韓国向け輸出量が減少したにもかかわらず総輸出量が増加したことは、米国産牛肉が多くの市場から支持されていることの表れ」と述べた。
 主要輸出先別に見ると、5月首位の日本向けは同5.6%減とやや減少し、2位の韓国向けは同7.1%減とかなりの程度減少した。一方で、3位の中国向けは大都市の一部で新型コロナウイルス感染症(COVID−19)によるロックダウンが行われたにもかかわらず、同16.7%増と大幅に増加している。また、口蹄疫の影響で国内生産が減少しているインドネシア向け輸出の大幅増など、アジアや中南米などの小規模市場からの堅調な需要により輸出は好調に推移している。
 

 
(調査情報部 上村 照子)