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国内需給動向【畜産統計】 畜産の情報 2022年9月号

令和4年「畜産統計」について

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 農林水産省が令和4年7月12日に公表した「畜産統計(令和4年2月1日現在)」について、肉用牛、乳用牛、豚、ブロイラーおよび採卵鶏の概要を以下の通り報告する。

【肉用牛】令和4年の肉用牛飼養頭数は、前年並み

乳用種は増加するも、肉用種はわずかに減少
 令和4年の肉用牛の飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、4万400戸(前年比4.0%減)と前年からやや減少した(表1)。一方、飼養頭数は、近年、生産基盤の強化により増加傾向にあり、261万4000頭(同0.3%増)と前年並みとなった(図1)。この結果、肉用牛の1戸当たり飼養頭数は、前年から2.8頭増加して64.7頭となり、規模拡大が進展している。
 肉用牛は、肉用種および乳用種(注1)に大別され、飼養頭数のうち約7割が肉用種(181万2000頭、同0.9%減)、約3割が乳用種(80万2200頭、同3.4%増)となっている(図2)。 
 肉用種の内訳を見ると、子取り用めす牛が前年比0.6%増の63万6800頭(肉用牛全体に占める割合は24%)となった一方、肥育用牛は同0.1%減の79万8300頭(同31%)、育成牛も同5.0%減の37万6800頭(同14%)となった。
乳用種の内訳を見ると、交雑種が同5.6%増の55万5300頭(肉用牛全体に占める割合は21%)となった一方、ホルスタイン種他は同1.2%減の24万6900頭(同10%)となった。

(注1) 「畜産統計」では、乳用種の肉用牛とは、ホルスタイン種、ジャージー種などの乳用種の牛のうち、肉用を目的に飼養している牛で、乳用種と肉用種の交雑種を含むと定義されている。






 
全体の4割を占める「500頭以上」階層の経営の飼養頭数が伸長
 肉用牛の総飼養頭数規模別の飼養戸数については、1〜99頭までを含む下位6階層はいずれも前年を下回ったのに対し、100〜500頭以上までを含む上位3階層はいずれも前年を上回った(図3)。1〜4頭の階層が最も多く全体の22%を占める9020戸(前年比7.0%減)、次いで5〜9頭の階層が同19%を占める7830戸(同5.2%減)、10〜19頭の階層が7410戸(同4.5%減)となった。これら下位3階層の全体に占める割合は前年から2ポイント低下したものの59%となっており、多くの割合を占めていることが分かる。また、全体の2%を占める500頭以上の階層は783戸(同2.6%増)、同4%を占める200〜499頭の階層は1430戸(同0.7%増)となり、上位2階層の割合は前年から1ポイント上昇し6%となった。
 肉用牛の総飼養頭数規模別の飼養頭数については、総飼養頭数規模別の飼養戸数と同様に下位層の減少が目立ち、1〜4頭(同8.8%減)、5〜9頭(同6.9%減)、10〜19頭(同6.0%減)、20〜29頭(同4.8%減)、30〜49頭(同2.9%減)、50〜99頭(同3.6%減)、100〜199頭(同0.8%減)、200〜499頭(同0.1%減)の8階層でいずれも前年を下回り、前年を上回ったのは最上位の500頭以上(同4.2%増)の階層のみであった(図4)。500頭以上の階層の飼養頭数が最も多く、飼養頭数全体の43%を占める112万8000頭、次いで200〜499頭の階層が同17%を占める44万4700頭となった。200頭以上の上位2階層が全体に占める割合は前年から1ポイント上昇し60%となり、大規模層で多くの肉用牛が飼養されていることが分かる。
 


 
(畜産振興部 大内田 一弘)

【乳用牛】1戸当たりの飼養頭数は、前年比4.9%増

北海道乳用牛飼養頭数、前年比2.0%増
 令和4年の乳用牛飼養戸数は、1万3300戸(前年比3.6%減)と前年からやや減少した(表2)。地域別に見ると、北海道は5560戸(同2.6%減)、都府県は7740戸(同4.7%減)といずれも減少した。また、乳用牛飼養頭数は、137万1000頭(同1.1%増)と前年からわずかに増加した。地域別に見ると、北海道が84万6100頭(同2.0%増)とわずかに増加した一方、都府県は52万5100頭(同0.2%減)と前年並みであった。1戸当たりの飼養頭数は、103.1頭(同4.9%増)と前年からやや増加し、初めて100頭を超えた。地域別に見ると、北海道が152.2頭(同4.7%増)、都府県が67.8頭(同4.6%増)といずれも増加している。農業地域別では、沖縄(同7.6%減)を除いたすべての地域で増加している。
 


「100頭以上」階層で乳用牛飼養戸数および頭数、ともに増加
 乳用牛飼養戸数の階層分布を成畜(満2歳以上の牛)の飼養頭数規模別に見ると、「100頭以上」の階層が2119戸(前年比4.4%増)と前年からやや増加し、全体の15.9%を占めた(表3)。このうち「200頭以上」の階層は、669戸(同9.7%増)とかなりの程度増加した一方、「100頭未満」の階層はいずれも減少した。
 

 また、乳用牛飼養頭数の階層分布を成畜の飼養頭数規模別に見ると、「100頭以上」の階層が67万9900頭(同7.2%増)と前年からかなりの程度増加し、全体の49.6%を占めた。このうち「200頭以上」の階層は、39万2400頭(同11.0%増)とかなり大きく増加し、全体の28.6%を占めた。一方で、「100頭未満」の階層はいずれも減少、あるいは横ばいとなった。飼養戸数は前年から3.6%減少しているが、「100頭以上」の階層で飼養戸数および頭数ともに増加していることから、経営の大規模化の進展が見受けられる。

乳用牛乳用種めす出生頭数、高水準で推移
 直近1年間(令和3年2月〜令和4年1月)の乳用種めす出生頭数は、27万4700頭(前年比4.1%増)と、直近5カ年の中では、令和2年に次ぐ2番目に高い水準となった(図5)。


(酪農乳業部 山下 侑真)

【豚】令和4年の豚飼養頭数は、前年比やや減

肥育豚、子取り用めす豚ともに減少
 
令和4年の豚の飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、3590戸(前年比6.8%減)と前年からかなりの程度減少した(表4)。また、飼養頭数も、近年、減少傾向で推移しており、894万9000頭(同3.7%減)とやや減少した(図6)。一方で、豚の1戸当たり飼養頭数は、前年から79.8頭増加して2493頭となり、規模拡大が進展している。
 内訳を見ると、子取り用めす豚が前年比4.1%減の78万9100頭、種おす豚が同6.3%減の3万頭、肥育豚が同2.1%減の751万5000頭、その他(販売される肥育用のもと豚を含む)が同18.9%減の61万5400頭と、いずれも減少した。
なお、近年、肥育豚の飼養頭数は減少傾向にあるものの、産肉能力が向上しており、豚肉生産量は増加傾向で推移している。




「3000頭以上」の経営で、肥育豚飼養頭数全体の7割を占める
 肥育豚の飼養頭数規模別の飼養戸数については、500〜999頭の階層以外のすべての階層で前年を下回った(図7)。2000頭以上の階層が最も多く、全体の30%を占める958戸(前年比3.9%減)、次いで500〜999頭の階層が同21%を占める686戸(同1.0%増)、1000〜1999頭の階層が同20%を占める633戸(同11.8%減)となった。これら上位3階層の全体に占める割合は前年から2ポイント上昇し71%となり、多くの割合を占めていることが分かる。なお、3000頭以上の階層が全体に占める割合は前年比同の20%となった。また、前年から最も減少率が大きかったのは100〜299頭の階層で、同18.1%減と大幅な減少となった。
 肥育豚の飼養頭数規模別の飼養頭数については、2000頭以上の階層が最も多く、全体の78%を占める669万2000頭(同2.7%減)となった(図8)。このうち3000頭以上の階層は591万3000頭(同3.0%減)と全体の69%を占めており、より大規模層で多くの豚が飼養されていることが分かる。



【ブロイラー】令和4年のブロイラー飼養羽数は、前年並み

飼養羽数は前年並みも、出荷羽数は増加
 令和4年のブロイラーの飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、2100戸(前年比2.8%減)、出荷戸数は2150戸(同1.8%減)と、いずれも前年からわずかに減少した(表5)。また、ブロイラーの飼養羽数(注2)は1億3923万羽(同0.3%減)と前年並みも、出荷羽数(注3)は7億1925万9000羽(同0.8%増)とわずかに増加した(図9)。この結果、ブロイラーの1戸当たり飼養羽数は、前年から1600羽増加し6万6300羽、1戸当たりの出荷羽数は、同8500羽増加し33万4500羽となり、規模拡大が進展している。

(注2) 飼養羽数とは、2月1日現在で飼養している鶏のうち、ふ化後3カ月未満で出荷予定の鶏の飼養羽数をいう。
(注3) 出荷羽数とは、前年2月2日〜本年2月1日の1年間に出荷した羽数をいう。2月1日現在で飼養を休止し、または中止している場合でも、年間3000羽以上の出荷があれば、羽数が計上されている。




ブロイラー出荷羽数、「50万羽以上」の経営で全体の5割
 ブロイラーの出荷羽数規模別の出荷戸数については、10万〜19万9999羽の階層が最も多く、全体の28%を占める597戸(前年比10.2%減)となった(図10)。同18%を占める20万〜29万9999羽の階層(389戸(同8.1%増))、同17%を占める30万〜49万9999羽の階層(370戸(同0.5%増))および同15%を占める50万羽以上の階層(313戸(同5.0%増))の上位3階層が前年から増加した一方、同22%を占める3000〜9万9999羽の階層(479戸(同2.8%減))および上述の10万〜19万9999羽の階層の下位2階層は減少した。
 ブロイラーの出荷羽数規模別の出荷羽数については、50万羽以上の階層が最も多く、全体の49%を占める3億5511万6000羽(同3.5%増)となった(図11)。下位2階層が減少となる一方で、50万羽以上の階層のほか、20万〜29万9999羽の階層(9715万6000羽(同9.8%増))および30万〜49万9999羽の階層(1億4900万1000羽(同0.2%減))の上位3階層で増加もしくは前年並みとなった。特に50万羽以上の階層の全体に占める割合は前年から1ポイント上昇しており、大規模層のシェアは拡大傾向にある。



【採卵鶏】令和4年の採卵鶏飼養羽数は、前年比やや減

ひなは増加するも、成鶏めすは減少
 令和4年の採卵鶏の飼養戸数は、小規模層を中心に減少傾向で推移しており、1810戸(前年比3.7%減)と、前年からやや減少した(表6)。また、飼養羽数は、ひなは4280万5000羽(同6.4%増)とかなりの程度増加する一方、成鶏めすは1億3729万1000羽(同2.4%減)とわずかに減少した(図12)。この結果、成鶏めすの1戸当たり飼養羽数は、前年から1100羽増加し7万5900羽と、規模拡大が進展している。






成鶏めすの飼養羽数、「10万羽以上」の経営で全体の8割
 成鶏めすの飼養羽数規模別の飼養戸数については、1000〜9999羽の階層が最も多く、全体の38%を占める624戸(同8.1%減)、次いで1万〜4万9999羽の階層が同28%を占める462戸(前年比7.4%減)となった(図13)。前年から増加したのは、同13%を占め214戸(同11.5%増)となった5万〜9万9999羽の階層で、同20%を占める10万羽以上の階層は334戸(同年同)と前年並みであった。
 成鶏めすの飼養羽数規模別の飼養羽数については、10万羽以上の階層が1億900万2000羽と最も多く、前年比3.1%減ながら全体の79%を占めている(図14)。その他の階層で前年から増加したのは5万〜9万9999羽の階層で、1464万羽と同10.6%増となった。

 
 
(畜産振興部 大内田 一弘)