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海外の需給動向【豚肉/中国】  畜産の情報 2022年10月号

豚肉価格は急激な上昇を見せるも、需給は安定の見込み

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繁殖雌豚頭数は前年から減少傾向も4月以降は増頭傾向
 中国農業農村部によると、2022年6月末時点の繁殖雌豚頭数は前年同月比6.3%減、前月比2%増の4277万頭となった(図1)。同頭数がピークとなった前年よりかなりの程度減少しているものの、22年4月以降、増加傾向で推移している。これは、同年4月下旬以降、豚肉価格が回復している中で、少しずつ生産意欲が高まってきているためとみられる。なお、同部が最適な繁殖雌豚頭数としている約4100万頭と比較すると、現在の規模は4.3%上回っている状況にあるが、同部では正常な飼養規模水準内にあるとしている。


豚と畜頭数は引き続き高水準で推移も、5月以降は減少傾向
 中国国内の豚と畜頭数は引き続き前年同月を上回る水準で推移している中で、中国農業農村部によると、上海などのロックダウンの影響や豚肉価格上昇の期待感から生産者の一部で出荷を控える動きがあるとされ、5月以降、出荷頭数は減少傾向にある(図2)。2022年6月のと畜頭数は2413万頭(前年同月比9.7%増)、同年1〜6月の累計では1億4688万頭(前年同期比34.9%増)となり、依然としてコロナ禍以前の水準(17〜19年平均)を上回って推移している。また、22年第2四半期(4〜6月)の豚肉生産量は1378万トン(同2.4%増)と前年同期をわずかに上回った(中国国家統計局)。

 

豚肉や子豚価格は急激な上昇を見せるも、継続しない見込み
 2022年1月から下落傾向にあった豚肉価格は5月、子豚価格は4月にそれぞれ上昇に転じており、6月以降はさらに上昇している(図3)。7月の子豚価格は前月比21.1%高の1キログラム当たり44元(895円:1元=20.34円(注))、豚肉価格は同26.3%高の同33.5元(681円)となった。現地では6月の上海ロックダウン解除などによる需要の回復のほか、生産者間でのさらなる価格上昇への期待の膨らみから、一部の生産者が出荷を先延ばししたとみられ、急激な価格上昇が引き起こされたものとされている。中国政府は根拠のない価格上昇に関する風説が広まることにより、生産者が正しく判断することを困難にしているとし、不当なうわさを広める行為を厳しく規制するとしている。中国国家統計局は豚の飼養規模が正常な水準にあるため、今後も大幅な価格上昇が継続する可能性は低いとみている。


(注) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年8月末TTS相場。

22年1〜7月の豚肉輸入量は引き続き大幅減
 2022年1〜7月の豚肉輸入量は、92万369トン(前年同期比64.1%減)と大幅に減少した(表)。国内のと畜頭数が高水準で推移していることに加え、COVID−19による検疫の強化や暫定税率の見直しなどにより前年を大幅に下回っている。
 
 
(調査情報部 海老沼 一出)