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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年2月号

バターの11月末在庫量、前年同月比12.2%減

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11月の生乳生産量、前年同月比2.8%減
 令和4年11月の生乳生産量は、59万6912トン(前年同月比2.8%減)と前年同月をわずかに下回り、4カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は33万6552トン(同3.0%減)と前年同月をやや下回り、都府県は26万360トン(同2.5%減)とわずかに下回った。北海道は3カ月、都府県は4カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制の効果などによるものとみられる。

 
 11月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、32万688トン(同1.3%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万9429トン(同1.7%増)と前年同月をわずかに上回った。
 乳製品向けは、27万2334トン(同4.4%減)と前年同月をやや下回り、4カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万3686トン(同6.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った一方で、チーズ向けは、3万7759トン(同9.6%増)とかなりの程度上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、12万5685トン(同8.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 11月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は25万9500キロリットル(同1.6%減)、成分調整牛乳は1万9848キロリットル(同2.9%減)とともに前年同月をわずかに下回った。加工乳は、1万2673キロリットル(同14.8%増)と前年同月をかなり大きく上回った。乳飲料は、8万4429キロリットル(同2.6%増)と前年同月をわずかに上回り、はっ酵乳は、7万4442キロリットル(同8.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 乳製品のうち、クリームは1万877トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回った。

11月の脱脂粉乳生産量、前年同月を大きく下回る
 11月の脱脂粉乳の生産量は、1万1237トン(前年同月比12.1%減)と前年同月をかなり大きく下回る一方で(図2)、出回り量は1万4931トン(同20.8%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。11月末の在庫量は、8万5768トン(同5.0%減)と在庫解消対策などにより、6カ月連続で前月を下回り、2カ月連続で前年同月を下回った(図3)。





 
バターの11月末在庫量、前年同月比12.2%減
 11月のバターの生産量は、4741トン(前年同月比8.0%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は8733トン(同9.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農畜産業振興機構調べ)。11月末の在庫量は、3万3925トン(同12.2%減)とかなり大きく下回り、7カ月連続で前年同月を下回った(図5)。





5年度の加工原料乳生産者補給金単価、2年ぶりに引き上げ
 令和4年12月14日に開催された「食料・農業・農村政策審議会畜産部会」において、畜産物価格の算定について諮問・答申が行われ、5年度の畜産物価格が決定した(表)。このうち加工原料乳生産者補給金単価は前年度比0.43円引き上げとなる1キログラム当たり8.69円、集送乳調整金単価は同0.06円引き上げとなる同2.65円となった。一方、総交付対象数量は前年度から15万トン減の330万トンとなった。

 
(酪農乳業部 橋 沙織)