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国内需給動向【鶏卵】畜産の情報 2023年2月号

4年12月の鶏卵卸売価格、依然高水準で推移が続く

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 令和4年12月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり284円(前年同月比74円高)と、前年同月を大幅に上回った(図)。同価格が280円を超えるのは平成25年12月以来9年ぶりとなる。
 直近5カ年の同月価格の平均値と比較した場合の割合でも、10月21.2%、11月28.4%、12月36.9%と上昇している状況にある。卸売価格は、例年、夏場の低需要期に下降し、年末の最需要期に向けて上昇する傾向があるが、その傾向を踏まえてもなお、令和4年の12月は特に押し上げられる形となった。背景には、生産コスト高による価格転嫁などから例年より高い水準で推移していることに加え、年末の需要期向けの手当てなどが重なったものと見られる。
 今後について、供給面では、生産コストの上昇や高病原性鳥インフルエンザの発生が全国的に広がっていることによる生産への影響が懸念され、見通しは引き続き不透明な状況となっている。
 需要面は、平年より高値での推移が続いている中、人流の活発化などによる外食需要の回復や、鍋物などの季節需要が期待される一方、例年、年明けには需要が落ち着くことから価格は低下する傾向にあり、今後の動向が注目されている。


 
5年度の補てん基準価格および安定基準価格が決定
 農林水産省は令和4年12月14日、「令和5年度鶏卵生産者経営安定対策事業」のうち、「鶏卵価格差補塡事業」に係る補塡基準価格および「成鶏更新・空舎延長事業」の発動基準となる安定基準価格を決定した。補塡基準価格は鶏卵1キログラム当たり209円、安定基準価格は同190円となった(表)。


 
(畜産振興部 生駒 千賀子)