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海外需給【牛肉/ウルグアイ】畜産の情報 2024年5月号

23年の牛と畜頭数、牛肉輸出量ともに2年連続の減少

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23年の牛と畜頭数は前年比4.3%減
 ウルグアイ食肉協会(INAC)によると、2023年の牛と畜頭数は230万6000頭(前年比4.3%減)と前年をやや下回り2年連続で減少した(図1)。23年前半(1〜6月)の牛と畜頭数は、前年同期のと畜が堅調な海外需要を背景に高水準であったことからこれを大きく下回ったが、後半(7〜12月)になると、と畜頭数の回復などから年間の減少幅が縮小した。24年1月の牛と畜頭数は、降雨による牧草の生育状況の改善や生産者出荷価格の回復などから19万6000頭(前年同月比30.2%増)となり、低水準であった前年同月を大幅に上回った。



 
 ウルグアイは近年、ラニーニャ現象の影響により乾燥気候となり、22年10月〜23年2月は特に乾燥の状況が厳しく、水不足などによる肉牛生産への影響が生じた。このため、同国農牧水産省は22年10月、農業緊急事態を宣言し、生産者に対して飼料や水不足対策などの支援措置を講じた。当初、90日間予定されていた同宣言は延長され、24年1月まで継続した。
 
23年の牛肉輸出量は中国向けを中心に減少し、前年比5.5%減
 ウルグアイ中央銀行によると、2023年の牛肉輸出量は36万80トン(前年比5.5%減)と前年をやや下回り、2年連続で減少した(表)。また、平均輸出単価は、1トン当たり5612米ドル(85万5325円:1米ドル=152.41円(注)、前年比16.1%安)と前年から大幅に下落した。これは、中国の需要低迷や米ドルに対するウルグアイペソ高などが影響したとみられる。
 輸出先別に見ると、最大の中国向けは21万6014トン(同16.3%減)と前年を大幅に下回り、全体の輸出量に占める割合は前年の67.7%から60.0%に低下した。また、同国向け平均輸出単価は、同4530米ドル(69万417円、同20.8%安)と前年を大幅に下回った。これは、中国からの引き合いが弱いことやブラジルとの競合などによるものである。一方、米国、カナダ、メキシコといった北米向けが大幅に増加し、輸出量全体の落ち込みを一部相殺した。また、冷蔵品が中心の日本向けは5178トン(同11.5%減)と2年連続で前年を下回った。なお、イスラエル向けについては24年1月8日、これまでの骨なし牛肉に加え、骨付き牛肉の輸出が認められた。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年3月末TTS相場。
 
 
去勢牛生産者出荷価格、23年11月ごろから緩やかな回復傾向で推移
 INACによると、直近(2024年3月第2週)の去勢牛生産者出荷価格は、前年同月同週比10.5%安の1キログラム当たり3.76米ドル(573円)となった(図2)。最近の価格の推移を見ると、中国の需要低迷などにより23年5〜10月は下落傾向で推移した。23年11月ごろから中国向け輸出量が回復基調に転じる一方、牧草の生育状況が改善し、生産者による牛の保留傾向が高まったことなどから牛の需給がひっ迫基調で推移した。このため、去勢牛生産者出荷価格は緩やかな回復傾向にある。



 
 
(調査情報部 井田 俊二)