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海外需給【飼料/大豆/世界】畜産の情報 2024年5月号

消費や輸出の増加から世界の大豆期末在庫は下方修正も、引き続き高い水準

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2024年3月8日、2023/24年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
 これによると、世界の生産量は3億9685万トン(前年度比5.0%増)と前月から136万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは、主産地のマットグロッソ州南部やブラジル北東部での高温と乾燥懸念により前月から100万トン下方修正された。一方、これに次ぐ米国は前月から据え置かれた。
 輸入量は、世界全体で1億7078万トン(同1.6%増)と前月から293万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は前月から300万トン上方修正された。現地報道によると、中国は国内での穀物の豊作が伝えられる中でも、ここ最近、穀物の輸入量を増やしているとされ、中でも大豆は依然として不足している状況とされている。
 消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2819万トン(同4.1%増)と前月から110万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は前月から据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億7361万トン(同1.0%増)と前月から304万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは中国の輸入量増加が反映され、前月から300万トン上方修正された。
 この結果、期末在庫は1億1427万トン(同11.9%増)と前月から176万トン下方修正されたが、引き続き前年度の水準をかなり大きく上回っている。
 現地情報によると、ブラジルの生産量について、今回の下方修正が業界関係者の当初見込みより小さかったことから、作付面積の増加分が乾燥による単収の減少分を相殺している可能性が示唆されている。



 
 
(調査情報部 横田 徹)