生産量
令和6年7月の牛肉生産量(注1)は、3万2089トン(前年同月比4.6%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万6954トン(同10.3%増)とかなりの程度、乳用種は6761トン(同2.6%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った一方、交雑種は8210トン(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較では、6.0%増とかなりの程度上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
7月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷により低調に推移する中、現地相場高の影響により米国産輸入量が減少したことなどから、1万8861トン(前年同月比2.6%減)と前年同月をわずかに下回った(図2)。冷凍品は、輸入品在庫量が多かったことにより前年同月の輸入量が少なかったことに加え、豪州産およびニュージーランド産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、3万466トン(同57.8%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)では、4万9342トン(同27.5%増)と前年同月を大幅に上回った。
なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は17.6%減と大幅に下回った一方、冷凍品は6.4%増とかなりの程度上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は143グラム(前年同月比12.9%減)と前年同月をかなり大きく下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較では、20.8%減と大幅に下回る結果となった。
7月の外食産業全体の売上高は、前年より土日が各1日少ない中、前年同様の記録的な猛暑により一部で外出を控える傾向も見られたものの、26日に開幕したパリ五輪により一部の業態でテイクアウト需要が伸びた他、訪日外国人需要も引き続き堅調だったことなどから、前年同月比4.3%増と前年同月をやや上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、五輪開幕後のテイクアウト需要により、同0.9%増と前年同月をわずかに上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風も、24日の「土用の丑の日」にちなんだうなぎ販売キャンペーンが奏功し、同11.2%増と前年同月をかなり大きく上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、土日の少ない曜日回りの影響などにより、同1.5%減と前年同月をわずかに下回った。
推定期末在庫・推定出回り量
7月の推定期末在庫は、15万1998トン(前年同月比4.5%減)と前年同月をやや下回った(図4)。このうち、輸入品は14万727トン(同4.0%減)と前年同月をやや下回った。
推定出回り量は、7万5914トン(同8.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図5)。このうち、輸入品は4万3959トン(同9.5%増)、国産品は3万1955トン(同7.2%増)と、ともに前年同月をかなりの程度上回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)