生産量
令和6年9月の牛肉生産量
(注1)は、2万8276トン(前年同月比0.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4304トン(同7.8%増)と前年同月をかなりの程度上回った一方、交雑種は7286トン(同5.7%減)とやや、乳用種は6638トン(同2.7%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の9月の平均生産量との比較では、3.8%増とやや上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
9月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要の低迷により低調に推移する中、前年同月の輸入量が少なかった他、主要輸入先である豪州産輸入量が増加したことなどから、1万5380トン(前年同月比0.4%増)と前年同月をわずかに上回った(図2)。冷凍品は、輸入品在庫量が多かったことにより前年同月の輸入量が少なかったことに加え、豪州産のうち主に加工用のひき材などに使用されるトリミングの輸入量が増加したことなどから、2万2758トン(同4.9%増)と前年同月をやや上回った(図3)。この結果、輸入量の合計
(注2)では、3万8168トン(同3.1%増)と前年同月をやや上回った。
なお、過去5カ年の9月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は20.3%減、冷凍品は17.4%減と、ともに大幅に下回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
9月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は167グラム(前年同月比3.8%増)と前年同月をやや上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の9月の平均消費量との比較では、2.7%減とわずかに下回る結果となった。
9月の外食産業全体の売上高は、2度の三連休と日曜が前年より1日多い曜日周りであったことや、9月末時点で昨年1年間を上回る累計訪日外客数による外食需要の押し上げの他、冷たいドリンク類や季節定番メニューの売れ行きが堅調であったことから、前年同月比8.2%増と前年同月をかなりの程度上回った。(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、月見シーズンの定番メニューが好評で、同4.1%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、季節メニューと割引キャンペーンが好調で、同11.0%増と前年同月をかなり大きく上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、昨年好評であったキャンペーンの展開などにより、同7.2%増と前年同月をかなりの程度上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
9月の推定期末在庫は、15万5848トン(前年同月比0.3%減)と前年同月並みとなった(図4)。このうち、輸入品は14万4550トン(同0.8%増)と前年同月をわずかに上回った。
推定出回り量は、6万7929トン(同0.7%減)と前年同月をわずかに下回った(図5)。このうち、輸入品は4万906トン(同1.8%減)と前年同月をわずかに下回った一方、国産品は2万7023トン(同1.1%増)と前年同月をわずかに上回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)