24年9月の牛肉生産量、肥育の長期化から前年同月比2.6%増
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2024年9月の牛と畜頭数は252万4000頭(前年同月比3.3%減)とやや減少した。一方、同月の1頭当たりの平均枝肉重量は肥育期間の長期化から391キログラム(同4.1%増)とやや増加したことで、同月の牛肉生産量は100万トン(同2.6%増)とわずかに増加した(図1)。
24年9月の肥育牛価格、前年同月比0.4%高
USDA/NASSによると、2024年10月1日時点のフィードロット飼養頭数は1160万頭(前年同月比0.2%増)と前年並みになった。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、24年9月の肥育牛価格は100ポンド当たり184.08米ドル(1キログラム当たり628円:1米ドル=154.64円
(注)、同0.4%高)と前年同月をわずかに上回ったが、前月比では同3.7%安となり、高い水準ながらも7月をピークに下落傾向で推移している(図2)。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年10月末TTS相場。
24年8月の牛肉輸出量は前年同月比8.5%減、輸入量は同26.1%増
USDA/ERSによると、2024年8月の牛肉輸出量は国内生産量が減少する中で、10万8067トン(前年同月比8.5%減)とかなりの程度減少し、24年1〜8月の累計では91万2027トン(前年同期比3.6%減)とやや減少した(表1)。8月の輸出量を主要輸出先別に見ると、首位の日本向けは2万4526トン(前年同月比3.5%減)とやや減少し、続く韓国向けは2万917トン(同12.5%減)、中国向けは1万6878トン(同13.8%減)といずれもかなり大きく減少した。また、輸出量が増加傾向にあったメキシコ向けは1万2273トン(同8.4%減)とかなりの程度減少した。
24年8月の牛肉輸入量は19万1095トン(同26.1%増)と大幅に増加した(表2)。輸入先別では豪州が同国の良好な生産状況を反映し、4万6163トン(同46.3%増)と大幅に増加し、同国からの単月輸入量では今年最大となった。また、ブラジルは3万3048トン(同約2.9倍)、ウルグアイは1万1930トン(同41.8%)とそれぞれ大幅に増加した。24年の輸入量についてUSDAは、豪州や南米地域からの輸入増から、198万8000トン(前年比17.7%増)と前年を大幅に上回ると見込んでいる。
(調査情報部 伊藤 瑞基)