24年9月の生乳生産量、3カ月連続で前年を上回る
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2024年9月の生乳生産量は260万トン(前年同月比4.1%増)とやや増加し、9月としては20年以降で最も高い水準となった(図1)。この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、先月と同様に乳牛の早期分娩と冬期の牧草生育が良好となったことが生産量の増加につながったとしている。
また、今後の生乳生産の見通しとしてNZXは、順調な生乳生産量が見込まれる一方、降雨量が増加するラニーニャ現象の発生を懸念している。
24年9月の乳製品輸出量、バターおよびチーズが上昇
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2024年9月の乳製品輸出量は、最大の輸出先である中国向けの減少により、脱脂粉乳および全粉乳が前年同月を下回った(表、図2)。一方、バターは、メキシコや米国向けが大幅に増加し、チーズは、主要輸出先である日本向けを中心に増加した。
24年10月15日のGDT平均価格、バターとチーズが上昇
2024年10月15日開催のGDT
(注1)平均取引価格は、バターおよびチーズが前回開催時(同年10月1日)を上回った(図3)。特にチーズは、世界最大の生産地域である米国と欧州での需給ひっ迫などから引き続き需要が増加しており、1トン当たり4702米ドル(72万7117円:1米ドル=154.64円
(注2)、前回比2.1%高)となった。この結果、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり3852米ドル(59万5673円、前回比0.0%高)と前回並みとなった。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2024年10月末TTS相場。
(調査情報部 田中 美宇)