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国内需給【牛肉】畜産の情報 2025年5月号

7年2月の牛肉生産量、わずかに減少

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生産量
 令和7年2月の牛肉生産量(注1)は、2万6345トン(前年同月比2.1%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。品種別では、和牛は1万3221トン(同2.5%増)と前年同月をわずかに上回った一方、交雑種は7265トン(同0.0%減)と前年同月並み、乳用種は5821トン(同10.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 なお、過去5カ年の2月の平均生産量との比較では、3.5%増とやや上回る結果となった。
 
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
 
 
輸入量
 2月の輸入量について、冷蔵品は、円安や現地価格の高止まりの影響などにより、主要国を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万1055トン(前年同月比11.6%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。冷凍品は、輸入品在庫量が高水準であることなどにより、主要国のうち豪州を除くほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万8292トン(同1.0%減)と前年同月をわずかに下回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、2万9353トン(同5.3%減)と前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の2月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は30.3%減と大幅に、冷凍品は14.1%減とかなり大きく、いずれも下回る結果となった。
 
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
 



 
 
家計消費量等
 2月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は134グラム(前年同月比6.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の2月の平均消費量との比較でも、16.8%減と大幅に下回る結果となった。
 2月の外食産業全体の売上高は、うるう年だった前年より営業日数が1日少なかったものの、販促キャンペーンや2月として過去最高となった訪日外客数、雨天日が少なかったこと、価格改定による客単価上昇などから、前年同月比6.0%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、ランチメニューの提供時間の延長やテレビ露出で、同4.8%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、これまでの価格改定や客数の増加により、同11.4%増と前年同月をかなり大きく上回った。一方で、ファミリーレストランの焼き肉は、営業日数減の影響や価格改定による単価上昇で客数が減少し、同1.6%減と前年同月をわずかに下回った。
 
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
 
推定期末在庫・推定出回り量
 2月の推定期末在庫は、13万3085トン(前年同月比3.1%増)と前年同月をやや上回った(図4)。このうち、国産品は1万125トン(同11.5%減)と前年同月をかなり大きく下回った一方、在庫の大半を占める輸入品は12万2960トン(同4.5%増)と前年同月をやや上回った。
 推定出回り量は、5万8094トン(同6.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万5602トン(同3.0%減)とやや、輸入品は3万2493トン(同8.7%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。




 
 
(畜産振興部 丸吉 裕子)