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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2025年5月号

25年2月の牛肉生産量は前年同月比6.8%減、肥育牛価格も高値で推移

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25年2月の牛肉生産量は前年同月比6.8%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2025年2月の牛と畜頭数は、牛群の縮小や、冬の悪天候により一部地域において家畜の移動が制限されたことに加え、うるう年であった前年同月に比べてと畜日数が減少したことにより、232万4000頭(前年同月比11.1%減)とかなり大きく減少した。一方、同月の1頭当たり枝肉重量は396.4キログラム(同4.8%増)とやや増加した。この結果、同月の牛肉生産量は91万6000トン(同6.8%減)とかなりの程度減少した(図1)。
 25年の牛肉生産量についてUSDAは、前月予測から5万4000トン引き下げた1210万4000トン(前年比1.1%減)と見込んでいる。


 
 
25年2月の肥育牛価格、前年同月比13.1%高
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2025年2月の肥育牛価格は100ポンド当たり205.30米ドル(1キログラム当たり681円:1米ドル=150.52円(注1)、前年同月比13.1%高)とかなり大きく上昇した(図2)。牛飼養頭数の減少に加え、25年2月に一部再開しているものの、メキシコからの生体輸入の禁止の影響を受けていることが、価格を押し上げている要因とみられている。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。
 


 
25年1月の牛肉輸出量は前年同月比1.0%減、輸入量は同20.7%増
 USDA/ERSによると、2025年1月の牛肉輸出量は10万4414トン(前年同月比1.0%減)とわずかに減少した(表1)。
 一方、同月の牛肉輸入量は、国内の牛肉生産量が減少する中で、堅調な需要により27万5778トン(同20.7%増)と大幅に増加した(表2)。輸入先別に見ると、最大のブラジルが8万9671トン(同27.2%増)、続く豪州が5万8766トン(同34.2%増)といずれも大幅に増加した。また、パラグアイは大きく増加したが、同国は23年12月より米国向け牛肉輸出を再開しており、ブラジルと同様に複数国向けの低関税枠(注2)の対象国であるため、この枠を狙って1月の輸入が集中したとみられている。
 
(注2)特定の関税割当枠の設定や自由貿易協定を締結していない国向けの牛肉輸出に関する低関税枠として、年間6万5005トンが設定されている。2025年は、1月17日までに全量が消化された。
 



 
(調査情報部 小林 大祐)