畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 25年の豚肉生産量、堅調な需要から前年比2.2%増と予測

海外需給【豚肉/メキシコ】畜産の情報 2025年5月号

25年の豚肉生産量、堅調な需要から前年比2.2%増と予測

印刷ページ
25年の豚肉生産量は前年比2.2%増の見込み
 米国農務省海外農務局(USDA/FAS)は2025年3月3日、25年のメキシコの豚肉需給見通しを発表した。これによると、同年の豚と畜頭数は2145万頭(前年比1.4%増)、豚肉生産量は163万トン(同2.2%増)と、いずれもわずかな増加が見込まれている(表1)。また、豚肉消費量は、人口や可処分所得の増加などに伴う堅調な需要から、283万トン(同1.3%増)とわずかな増加が見込まれている。
 



 
豚枝肉価格は上昇して推移、25年2月は前年同月比36.6%高
 メキシコ国家情報市場統合システム(SNIIM)によると、2025年2月の豚枝肉価格は、1キログラム当たり84.0ペソ(700円:1ペソ=8.33円(注)、前年同月比36.6%高)と大幅に上昇した(図)。この要因について現地報道によると、24年下半期(6〜12月)以降のペソ安に伴う輸入飼料価格の上昇に伴う価格転嫁や、価格が上昇している輸入豚肉に比べて安価な国産の需要が増加したことなどが挙げられている。また、同月の生体豚価格も、同55.9ペソ(466円、同65.9%高)と大幅に上昇した。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。


 
 
24年の豚肉輸出量は前年比10.4%減、輸入量は同3.7%増
 2024年の豚肉輸出量は、国内の需要増や上半期(1〜6月)のペソ高による輸出競争力の低下などにより、17万400トン(前年比10.4%減)とかなりの程度減少した(表2)。輸出先別に見ると、輸出先第1位の日本向けは12万4400トン(同4.8%減)、第2位の米国向けは2万7600トン(同5.3%減)、第3位の韓国向けは1万1100トン(同42.3%減)となった。日本向けや韓国向けについては、輸送コストの上昇も輸出量減少の一因とみられている。
 一方、同年の豚肉輸入量は138万8800トン(同3.7%増)とやや増加した(表3)。メキシコ政府によるインフレ率上昇抑制策(PACIC)が継続していることにより、ブラジル産豚肉は一時的に関税が無税となっていることから、同国からの豚肉輸入量は4万2300トン(同53.3%増)と大幅に増加した。




 
 
(調査情報部 小林 大祐)