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海外需給【牛乳・乳製品/NZ】畜産の情報 2025年5月号

堅調な需要から、チーズなどの輸出が好調

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25年2月の生乳生産量、8カ月ぶりに前年同月を下回る
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2025年2月の生乳生産量は186万5千トン(前年同月比2.6%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。この要因としてニュージーランド証券取引所(NZX)は、前年がうるう年であったことを挙げており、生乳生産は好調を維持しているとみられる(うるう年調整後では同0.9%増としている)。
 今後の生乳生産量についてNZXは、干ばつの影響による牧草生育状況の悪化に伴い、前年を下回ると予想している。このような中でニュージーランド(NZ)政府は25年3月、複数地域の干ばつ状況および農家への影響を認識し、地元の農村支援信託を通じて酪農家や野菜生産者などに対し合計10万NZドル(872万6000円:1NZドル=87.26円(注1))の支援金を提供すると発表した。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年3月末TTS相場。

 
25年2月の乳製品輸出量、主要3品目で増加
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2025年2月の乳製品輸出量は、全粉乳を除く主要3品目で前年同月を上回った(表、図2)。脱脂粉乳は中国向けが、バターおよびバターオイルは中国および豪州向けが、チーズは中国および日本向けがいずれも増加した。







 
25年3月18日のGDT平均価格、主要2品目は前回を上回る
 2025年3月18日開催のGDT(注2)平均取引価格は、バターおよびチーズが前回開催時(25年3月4日)を上回った(図3)。米国の輸入関税を巡り、乳製品国際市場にも不透明感がある中、北アジアからの購入量が増加していることから、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4245米ドル(63万8957円、1米ドル=150.52円(注1)、前回比0.9%高)となった。
 
(注2)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。


 
(調査情報部 田中 美宇)