ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年3月13日、24/25年度第6回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1、2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
24/25年度トウモロコシ生産量はさらに上方修正、前年度比6.1%増の見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回より74万3500トン上方修正の1億2276万300トン(前年度比6.1%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。その理由として、作付面積が同0.4%増と前年度をわずかに上回るとともに、単収が同5.6%増とやや上回ると見込まれるためである。この生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ量となる。
内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、前回より127万5800トン上方修正の2485万7300トン(同8.3%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。作付面積は、穀物市場価格の下落などを背景に同5.6%減と前年度をやや下回ったが、単収が同14.7%増とかなり大きく増加することが寄与している。なお、第1期作の播種作業はすべて終了している。
また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、前回より53万2400トン下方修正の9551万5800トン(同5.8%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。第2期作の播種作業は、作付面積全体の69.5%(25年2月末現在)で終了し、前年同期(同73.7%)よりわずかに遅れている。1月は降雨による大豆の収穫遅れおよび後作のトウモロコシ播種作業が遅れていたものの、2月には好天に恵まれ、作業が進捗した。
24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたものの、国内需要が引き続き堅調であるため、輸出量は前回と変わらず3400万トン(同11.7%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。
24/25年度大豆生産量は、更に上方修正
2024/25年度の大豆生産量は、前回より135万5700トン上方修正の1億6736万9500トン(前年度比13.3%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度をわずかに上回る(同2.8%増)とともに、単収が同10.2%増とかなりの程度上回ると見込まれるためである。
リオ・グランデ・ド・スル州では、天候不順により作柄に影響が出ているものの、マットグロッソ州、ゴイアス州、ミナス・ジェライス州では記録的な豊作が予想されていることから、全体の生産量が上方修正された。
種播作業はすべて終了しており、1月には多雨により収穫作業の開始が遅れたものの、2月に入り天候に恵まれ作業が進捗し、前年同期の作付面積全体の48.4%が終了した。これは前年同期を1.1ポイント上回っている。
全体の生産量が上方修正される中で、24/25年度の大豆需給を見ると、今回、輸出量は1億574万8000トン(同7.0%増)と、1億トンを超える数量が見込まれている。
(調査情報部 平石 康久)