生産量
令和7年6月の牛肉生産量(注1)は、2万7841トン(前年同月比1.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4793トン(同6.8%増)とかなりの程度、交雑種は7568トン(同5.1%増)とやや、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は5426トン(同11.2%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の6月の平均生産量との比較では、0.8%増とわずかに上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
6月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要が低調な中、現地価格の高止まりの影響などにより、主要輸入先を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万4103トン(前年同月比20.4%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。冷凍品は、主要輸入先のうち米国産はショートプレートの輸入量が現地価格の軟化などにより増加した一方、現地価格の高止まりの影響に加え、輸入品在庫量が比較的高水準であることなどにより、ほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、2万8108トン(同5.8%減)と前年同月をやや下回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、4万2220トン(同11.3%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の6月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は30.4%減と大幅に、冷凍品も6.5%減とかなりの程度、いずれも下回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
6月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は、152グラム(前年同月比2.2%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の6月の平均消費量との比較では、10.8%減とかなりの程度下回る結果となった。
6月の外食産業全体の売上高は、下旬を中心に6月としては「記録的な高温」となったため、冷たい麺類メニューや、ビール類、飲料などが好評であった他、物価高などによる節約志向の強まりを背景に、ファストフードなど低価格業態や各社のキャンペーンが好調で、前年同月比6.0%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。売上高は堅調を維持したものの、暑すぎる天候に加え、土曜日が少ない曜日回りなども影響して客数の伸びが鈍化し、前年を下回る業態もあった。
このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、期間限定メニューやお得なランチメニューなどが好調で、同5.2%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、客数が前年同月並みにとどまったものの、毎月替わる定食メニューや新規投入の麺類メニューなどが好調で、同12.5%増と前年同月をかなり大きく上回った。一方、ファミリーレストランの焼き肉は、土曜日が少ない曜日回りが影響し、同0.4%減と前年同月をわずかに下回った。
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
推定期末在庫・推定出回り量
6月の推定期末在庫は、14万7497トン(前年同月比0.2%増)と前年同月並みとなった(図4)。このうち、国産品は8963トン(同24.6%減)と前年同月を大幅に下回った一方、在庫の大半を占める輸入品は13万8534トン(同2.4%増)と前年同月をわずかに上回った。
推定出回り量は、6万8972トン(同1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は2万7803トン(同2.9%増)と前年同月をわずかに上回った一方、輸入品は4万1168トン(同0.1%減)と前年同月並みとなった。
(畜産振興部 丸吉 裕子)