表1には、過去の全共開催状況を示した。第2次世界大戦後の復興も間もない1951年に神奈川県平塚市で、昭和天皇の行幸を仰いで第1回全共を開催して以来、全共は、国内の酪農主要道県などで計13回開催され、70年あまりの歴史を持つ。61年の第3回長野大会では当時の皇太子殿下(現上皇)ご夫妻の台覧の下、小岩井農場出品牛が経産名誉賞に輝いた。70年の第5回愛知大会では、酪農好景気のさなか、全国から52万人が来場し、北海道・宇都宮牧場が2度目の経産名誉賞を獲得した。
81年の第7回群馬大会においては、ホルスタイン種では珍しい赤白班牛が経産名誉賞に輝いた。90年の第9回熊本大会は九州初の全共開催となり、沖縄県からも初出品があった。同大会では、北海道・植田牧場が第8回に続き2回連続で名誉賞を獲得した。2000年の第11回岡山大会の最高位は、第9回名誉賞牛の受精卵移植による生産娘牛であった。また、ジャージー全共が16年ぶりに同時開催された大会でもあった。
2015年の第14回大会は、北海道で初開催となり、過去最多となる374頭が出品された。この回から高等学校特別枠を設置して高校生などを対象とした「ジャジング&リードマンスクール(注)」などの酪農後継者育成プログラムも開催し、好評を博した。
(注)ジャジングスクールは牛の見方(体型の良否)、リードマンスクールは牛の引き方の勉強会。また、この後には高校1・2年生と3年生の2クラスでリードマンコンテストも開催する。これらは北海道アルバータ酪農科学技術交流協会との共催。