生産量
令和7年7月の牛肉生産量(注1)は、3万2112トン(前年同月比0.1%増)と前年同月並みとなった(図1)。品種別では、和牛は1万7809トン(同5.0%増)とやや、交雑種は8303トン(同1.1%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は5943トン(同12.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較では、5.0%増とやや上回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
7月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要が低調な中、現地価格の高止まりの影響などにより、主要輸入先を含むほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、1万7097トン(前年同月比9.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品は、主要輸入先のうち米国産はショートプレート(バラ)の輸入量が現地価格の軟化などにより増加した一方、現地価格の高止まりの影響に加え、輸入品在庫量が比較的高水準であることなどにより、ほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、2万9819トン(同2.1%減)と前年同月をわずかに下回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、4万6926トン(同4.9%減)と前年同月をやや下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は19.3%減と大幅に下回った一方、冷凍品は7.6%増とかなりの程度上回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は153グラム(前年同月比6.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較では、12.0%減とかなり大きく下回る結果となった。
7月の外食産業全体の売上高は、6月に続き「記録的な暑さ」となり、冷たいメニューやビール類などが好評となった他、好天の中、月後半は夏休みの行楽需要なども好調で、前年同月比8.7%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、スパイシーな季節メニューや期間限定メニュー、コラボ商品が好調だった他、冷たいドリンクの値引き販促などが好調で、同11.8%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、客数がわずかな増加にとどまったものの、猛暑日の割引クーポンや新規投入した麺類メニューが引き続き好評だった他、うなぎなどの季節メニューにも一定の集客があり、同11.0%増と前年同月をかなり大きく上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、猛暑のため客数が減少したが、客単価の上昇により同2.4%増と前年同月をわずかに上回った。
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
推定期末在庫・推定出回り量
7月の推定期末在庫は、15万2150トン(前年同月比0.1%増)と前年同月並みとなった(図4)。このうち、国産品は1万329トン(同8.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った一方、在庫の大半を占める輸入品は14万1821トン(同0.8%増)と前年同月をわずかに上回った。
推定出回り量は、7万3413トン(同3.3%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万9774トン(同6.8%減)とかなりの程度、輸入品は4万3639トン(同0.7%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)