25年上半期の家きん肉生産量、前年同期比7.4%増
中国国家統計局によると、2025年上半期(1〜6月)の家きん総出荷羽数は81億4000万羽(前年同期比7.0%増)、同生産量は1270万トン(同7.4%増)と、いずれも前年同期を上回った。また、同年6月末の家きん飼養羽数は63億3000万羽(前年同月比0.2%増)となった。
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)の直近見通しによると、25年の中国の鶏肉生産量(注1)は1550万トン(前年比1.0%増)と前年からわずかな増加が見込まれている(表1)。
25年8月の鶏肉市場価格、前年同期比6.1%安
中国農業農村部によると、2025年8月第3週の鶏肉市場価格は1キログラム当たり22.4元(469円:1元=20.93円(注2)、前年同期比6.1%安)と前年同期をかなりの程度下回った(図)。
価格下落の要因について、中国農業農村部は25年8月に公表した「農産物需給動向分析月報」の中で、夏季の高温による家きんの死亡リスクの増加を懸念した生産者が出荷を早め、市場の需要を上回って供給量が増加したことを挙げている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年8月末TTS相場。
25年1〜7月の鶏肉輸入量、前年同期比9.1%減
2025年1〜7月の冷凍鶏肉輸入量は、47万8851トン(前年同期比9.1%減)と前年同期をかなりの程度下回った(表2)。
主な輸入先は、ブラジル28.8万トン(同9.7%減)、ロシア8.7万トン(同25.0%増)、タイ6.9万トン(同13.3%増)、米国1.4万トン(同66.8%減)であった。ブラジルからの輸入量の減少要因として、同年5月にブラジルで高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生したことにより、中国政府が同国からの家きんおよび家きん類の輸入を停止したことが挙げられる。これにより、その代替先としてロシアやタイからの輸入が増加したとみられる。
25年1〜7月の鶏肉調製品輸出量、前年同期比17.0%増
2025年1〜7月の鶏肉調製品の輸出量は、23万2282トン(前年同期比17.0%増)と前年同期を大幅に上回った(表3)。主な輸出先を見ると、引き続き日本向けが首位となったが、英国やオランダ向けも大幅に増加している。中国農業農村部が4月に公表した「中国農業展望報告」によると、同年の家きん肉の輸出量は96万トン(前年比4.3%増)と見込まれており、同年7月までの鶏肉調製品の輸出は予測を上回るペースで増加している。
(調査情報部 山ア 葵)