生産量
令和7年8月の牛肉生産量(注1)は、2万4893トン(前年同月比3.8%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別では、和牛は1万2610トン(同0.0%減)と前年同月並み、交雑種は6917トン(同0.7%減)とわずかに、乳用種は5331トン(同14.2%減)とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の8月の平均生産量との比較では、4.6%減とやや下回る結果となった。
(注1)生産量の合計は、その他の牛、子牛を含む。
輸入量
8月の輸入量について、冷蔵品は、国内需要が低調な中、現地価格の高止まりの影響などにより、主要輸入先のうち米国産の減少が見込まれることなどから、1万4950トン(前年同月比6.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品では、米国産ショートプレート(バラ)は現地価格の軟化から輸入量が増加したものの、総じて現地価格は上昇しており、ほとんどの輸入先からの輸入量が減少したことなどから、2万8241トン(同14.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図3)。この結果、輸入量の合計(注2)でも、4万3219トン(同11.6%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の8月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は21.7%減と大幅に、冷凍品は7.9%減とかなりの程度、いずれも下回る結果となった。
(注2)輸入量の合計は、煮沸肉、ほほ肉、頭肉を含む。
家計消費量等
8月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)(注3)は172グラム(前年同月比2.4%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の8月の平均消費量との比較では、7.9%減とかなりの程度下回る結果となった。
8月の外食産業全体の売上高は、前年と比較して土日が多い曜日周りで、台風の影響も少なく猛暑が続き、冷たいメニューやビール類などの売上増に加えてお盆の帰省需要も好調だったことから、前年同月比8.4%増と前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。
このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファストフードの洋風は、夏限定の新商品や定番の季節メニューが好調で、同7.0%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファストフードの和風は、客数がわずかな増加にとどまったものの、期間限定の定食メニューなどが好調で、同8.6%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、お盆時期や土日が多い曜日周りで客足が戻り、同6.5%増と前年同月をかなりの程度上回った。
(注3)1世帯当たりの数値を当該月の世帯人数で除して算出。
推定期末在庫・推定出回り量
8月の推定期末在庫は、15万2863トン(前年同月比3.4%減)と前年同月をやや下回った(図4)。このうち、国産品は1万476トン(同4.5%減)、在庫の大半を占める輸入品は14万2387トン(同3.3%減)と、ともに前年同月をやや下回った。
推定出回り量は、6万6537トン(同1.8%減)と前年同月をわずかに下回った(図5)。このうち、国産品は2万3884トン(同6.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った一方、輸入品は4万2653トン(同0.7%増)と前年同月をわずかに上回った。
(畜産振興部 丸吉 裕子)