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海外需給【鶏肉/タイ】畜産の情報 2025年11月号

25年1〜7月の冷凍鶏肉輸出量、前年同期比13.9%増

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25年1〜7月の鶏肉生産量、前年同期比1.1%増加
 タイ農業協同組合省農業経済局によると、2025年1〜7月の鶏肉生産量は164万9938トン(前年同期比1.1%増)とわずかに増加した(図1)。
 



 
25年9月の鶏肉卸売価格、前年同月比3.8%安
 2025年9月の鶏肉卸売価格は、前年同月比3.8%安の1キログラム当たり54.56バーツ(256.43円:1バーツ=4.70円(注))とやや下落した(図2)。この要因について現地関係者は、1)6月から雨季に入り国内消費が落ち込んだこと、2)学校の長期休暇により給食向けの需要がなくなったこと、3)豚肉価格も7月以降は下落が続き、豚肉に一部の需要が流れたこと、4)25年7月に発生したタイとカンボジアの国境地帯の紛争により、大企業の加工施設で就労していたカンボジア人労働者が帰国したため、加工度の低い国内向けが増加したこと―を挙げている。一方、今後の価格については、10月に雨季が明けることに加え、学校の新学期の開始に伴い給食向けなどの需要が回復することで、上昇に転じると予測している。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年9月末TTS相場。
 



 
25年1〜7月の冷凍鶏肉の輸出量、前年同期比13.9%増
 2025年1〜7月の冷凍鶏肉の輸出量は、29万7589トン(前年同期比13.9%増)とかなり大きく増加した(表1)。25年5月以降にブラジルの複数州で高病原性鳥インフルエンザが発生したことを受け、代替輸入先としてタイ産鶏肉の需要が増加したためとみられる。
 



 
25年1〜7月の鶏肉調製品の輸出量、前年同期比4.6%増
 2025年1〜7月の鶏肉調製品輸出量は、40万3525トン(前年同期比4.6%増)とやや増加した(表2)。このうち日本向けは、節約志向などを背景とした鶏肉需要により堅調に推移し、17万6252トン(同1.9%増)とわずかに増加した。今後の鶏肉輸出について現地関係者は、タイとカンボジアの国境地帯の紛争により、輸出向け鶏肉製品の生産に影響が出ているため、注視が必要としている。
 



 
(調査情報部 山ア 葵)