25年8月の生乳生産量、前年同月比1.8%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2025年8月の生乳生産量は144万4000トン(前年同月比1.8%増)とわずかに増加し、8月単月の生産量としては20年以降で最大となった(図1)。この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、肥料などの生産コストが上昇しているものの、1)良好な放牧環境、2)比較的安価な飼料価格、3)高い水準にある25/26年度(6月〜翌5月)の生産者支払乳価−などが、酪農家の生産意欲の向上につながったことを挙げている。
また、今後の生乳生産の見通しについてNZXは、牧草の生育状況は地域でばらつきが出る可能性があるものの、全体としては前年度を上回ると予想している。
25年8月の全粉乳、バターおよびバターオイルの輸出量増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2025年8月の乳製品輸出量は、主要4品目のうち全粉乳、バターおよびバターオイルがいずれも前年同月を大幅に上回った(表、図2)。品目別に見ると、全粉乳はインドネシア向けが、バターおよびバターオイルは中国向けが、それぞれ増加したことが寄与した。一方、脱脂粉乳はインドネシア向けが、チーズは日本向けが、いずれも減少したことが影響した。
25年9月16日のGDT平均価格、チーズは上昇
2025年9月16日開催のGDT(注1)平均取引価格は、チーズが前回開催時(25年9月2日)を上回った(図3)。取引全体では、東南アジア、オセアニア地域と中東からの需要が増加したことで、北東アジアの需要減少分を相殺し、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4041米ドル(60万5665円、1米ドル=149.88円(注2)、前回比0.0%安)と前回並みになった。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年9月末TTS相場。
(調査情報部 田中 美宇)